鉄道ホビダス

2011年11月11日アーカイブ

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▲無火のC61 2を庫4番線に押し込む「テーブル向」の一族。'65.12 仙台運転所 P:中村文孝
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茨城県の中村文孝さんからは仙台運転所の「テーブル向」の画像をお送りいただきました。
「先般の"テーブル向"の記事、興味深く拝読いたしました。ふと思いつき、昔のアルバムをめくりましたところ、添付の一枚を見出しましたので、添付いたします。
撮影場所:仙台運転所
撮影時期:1965年12月
撮影カメラ:オリンパスペンD2 ネガ不明
状況:当時高校2年の小生は、雑誌『鉄道ファン』の表紙にゆうづる復活のC62を見ていたたまれず、平から仙台へ初めての遠出撮影をしました。その時の仙台運転所でのスナップです。C61 2はロッドが外され、定修の戻りかと思います。転車台から庫への搬入にこの電池車がユックリ押し込んでいました。平機関庫の"テーブル向"とは別の車輌ですが、同じ目的で配置されていたと思われます。」

中村さんのお便りで仙台運転所にも"同類"がいたことがわかりましたが、仙台運転所(仙台機関区)と言えば『国鉄時代』や『「SL甲組」の肖像』でもお馴染みの仙台ハドソンの生き字引・大山 正さんです。仙台機関区にお勤めだった大山さんは、長年にわたって東北蒸機の消長を実体験してこられ、しかも趣味的視点も交えて正確な記録を残されています。そこで中村さんからお送りいただいた写真を鑑定していただくことにしました。

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▲庫4番線に入るC60 10の前に取りついた「テーブル向」、いや「無火機関車けんいん機」。恒常的に防水用シートが掛けられていたようだ。隣の3番には有火のC62 39が入っている。'67.9.9 仙台運転所 P:大山 正
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さすが本職の大山さん。さっそく画像も含めて「テーブル向」の詳細な解説をお送り下さいました。「テーブル向」は仙台運転所では「無火伝道機」と呼ばれており、その名のとおり無火の機関車を"伝道"(伝導ではなく"伝道")するための機械だったそうです。
昭和35年4月発行の『仙台機関区概況』によれば「検修設備」のうち「無火機関車けんいん機」、牽引力:130t、電動10HPと記載されているそうですので、正式名称は「無火機関車けんいん機」のようです。

さらに大山さんの解説をご覧いただきましょう。
このように「無火機関車けんいん機」は「検修設備」になっておりますが、運転操作は転車台と同じ「諸機掛」だったと思います。財産、保守担当は転車台動力やテルハ、クレーンと同じ仙台機械区でした。庫4番線に無蓋車「トラ」などを引き込み、「電動天井起重機」で「無火けんいん機」を車体ごと吊り上げ、これに積載し修繕に出していたと思われます。行き先は郡山工場の機械職場かメーカーの修繕工場と思われます。

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▲仙台機関区平面図(一部)。扇形庫の転車台反対側が極めて狭隘で、過走余裕分程度しか線路がないのがわかる。 (『「SL甲組」の肖像』第6巻より)
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私が見たのは、転車台の庫の各番線の反対側が過走余裕で2mくらいの車止め線があり、その近くに転車台電源用の電柱があり、その下方に分電盤があり、これから転車台の中央上部の集電器に伸びていますが、この分電盤に三相用のコンセントがあり、この近くの車止め線に留置して電源プラグをつないでいたようです。雨天でも大丈夫なように、防水はされていたようです。同じコンセントが庫内にあったかは記憶にありません。なお、充電が足りなかったのか、電源コードをつないだまま動いていたこともありました。多分、ストレート給電もあったのでしょう。数人の整備掛が50mくらいのケーブルを転車台などに挟まれないよう持ち上げて、伝道機にゾロゾロとついて歩いていました。

他区でも見ているはずですが、記憶が曖昧です。ただ、扇形庫内に洗缶線を持つ庫で、その番線の転車台の先が過走余裕分しかない(入換機関車が入れない短い線路)、仙台のような狭い構内の庫はほとんど常備していたと思われます。なお、1970年頃、郡山工場の修繕庫の外のレールのないコンクリート床に一台置いてあったのを見たことがあります。工場で使ったとは思えないので、修繕にでも持ち込んだのかも知れません。

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▲やはり庫4番線の8657に連結した「無火機関車けんいん機」。コントローラーと駆動用ギアの左右関係を見ると、上の写真から180度向きが変わっているのがわかる。ということは、平機関区の「テーブル向」とは「無火機関車けんいん機」本体の向きを示しているのではなく、積載する蓄電池箱(?)の向きを示しているらしい。'66.7.5 仙台運転所 P:大山 正
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皆さんほんとうにありがとうございました。ご紹介させていただいた他にも多くの情報が寄せられており、感謝感激です。最後にご紹介した大山 正さんの解説で「テーブル向」の正体と素性はほぼ解明されましたが、昨日ご紹介した坂田純一さんのお便りにもあったように、私も含めて当時、蒸機以外は真剣に記録しておらず、鉄道の日常を支えてきたさまざまなものを見逃してきたことにあらためて気付かされた一件落着でした。

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