鉄道ホビダス

絶句! スマトラの森林鉄道。

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▲まさにジャングル! 熱帯雨林を搔き分けるように不気味な"単端"が進む。撮影するにもトラや大蛇が怖そう...。'11.5 P:古賀俊行
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2年ほど前にご紹介した中国広東省の梅隆鉄路(アーカイブ「遙かなり梅隆鉄路」参照)に対してレスポンス(アーカイブ「"梅隆鉄路"は今」参照)を頂戴した古賀俊行さんからひさしぶりにお便りをいただき、まさに目が点になるようなスマトラ奥地の森林鉄道(?)のレポートを頂戴いたしました。

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▲続行で橋梁を渡る。このか細い鉄路が、今もってジャングルの村への生命線となっているという。'11.5 P:古賀俊行
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tempat.jpg古賀さんは現在インドネシアに赴任中。お仕事柄アジア各国を渡り歩いておられ、そのブログ「地球公務員 落花生。再び」(→こちら)は各国の鉄道事情も数多く盛り込まれた注目のサイトです。実は今回お送りいただいたスマトラの森林鉄道も、私を含めて、古賀さんのブログを拝見している同好の士の間ではすでに大きな話題となっていたもので、なかにはさっそく現地訪問のプランを練り始めた猛者まで出るほどインパクトのある"発見"でした。今回は古賀さんからお送りいただいた画像をご紹介いたしますが、内容に関しては先述のブログと重複する部分が多い点をお含みおきいただくとともに、そちらにはさらに多くの画像がアップされておりますので、興味を持たれた向きは、ぜひアクセスいただきたいと思います。それでは古賀さんのレポートの始まりです。
▲その大まかな位置関係。作成:古賀俊行
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今日はまだ暗い朝5時前にクタフンの街を出発。街を出て北へ暫く走った後、未舗装の道に入り走ること約3時間。8時過ぎについたのは、NapalPutihという小さな山奥の村。小さな村の中心を抜け、市場を過ぎたその先に、お目当ての森林鉄道の駅はありました。

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▲NapalPutih「駅」全景。停車中の怪しい2軸の自走客車はカラフルに塗装されている。'11.5 P:古賀俊行
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森林鉄道と呼ぶのが正しいのかどうか。ここNapalPutihから、山奥のLebongTandaiという集落までのおよそ33kmを結ぶ鉄道の存在を知ったのは、インドネシア唯一の鉄道雑誌『Majalah KA』の2010年12月号でした。オランダ時代の1907(明治40)年にこのスマトラ、現在のブンクル州北部の金鉱山からの鉱石運び出しのため、記事には「Trem Hutan(森のトラム)」と書かれたこの軌間600mmナローの軌道が敷かれ、最盛期にはLebongSoeili、MoegraSantanといった他の集落にも路線を伸ばしていた(現在は廃止)とのことです。

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▲途中の"駅"で地元のおばちゃんたちを下ろす(左)。停車中の"単端"は子どもたちの遊び場(右)。'11.5 P:古賀俊行
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古いポーター製蒸気機関車や運行開始当時のものと思われる古い白黒写真から、歴史記事なのかと思ったのですが、中に一枚、2009年4月撮影と書かれたトロッコの写真があるではないですか。そしてさらに今年の2月号の同誌には、外国人が2009年にこの地を訪問したという記事が掲載されたのです。このトロッコ鉄道、まだあるんだ!!

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▲とても現役路線とは思えない軌道状態。恐らく度重なるであろう自然災害にも負けず、村の生命線として立派に機能している。'11.5 P:古賀俊行
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というわけで、その「駅」に話を戻しましょう。出発を待つ1台の自走客車。近くの商店のオヤジは関係者らしく、平日は朝7~8時にかけて数台、日曜は8~9時にかけて数台の車輌が続行運転する、と言います。料金は片道Rp25,000。所要時間は片道2時間半。LebongTandaiからは12時頃に出発し、15時前に戻って来る"ダイヤ"です。18時頃にNapalPutih発LebongTandai行きが運転されることもあり、その場合夜中0時頃にLebongTandai発NapanPutih行きが運転される...って夜行便かい!

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▲終着LebongTandaiに到着した列車。食堂も一軒だけあり、宿泊はKepala Desa(村長)の家に泊まれる由。'11.5 P:古賀俊行
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▲単端式ゆえ方向転換が不可欠。とは言ってもターンテーブルがあるわけではなく、転回は人力で...'11.5 P:古賀俊行
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まだ出発まで少し時間があると言うので、近くの市場を一回りして朝食用にマルタバック(ホットケーキのようなもの)を買って駅に戻ると、自走客車は3台に増え、間もなく出発するから乗れ、と言われました。緑と黄色に塗り分けられた1輌に乗り込んで、中国製のトラクター用と思しきディーゼルエンジンが廻り出し、さあ出発! あとはこの怪しい鉄道の写真をご堪能いただきましょう。

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▲川沿いの崖ふちを進む軌道。見るからにルーズな路盤は危険と隣り合わせ。'11.5 P:古賀俊行
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古賀さんありがとうございました。インドネシアの製糖工場のナローを3年続けて訪ね歩いたのは20年も前のこと。それ以来、赤道直下のインドネシアを訪れることはありませんでしたが、この怪しい軌道を拝見して、機会があれば彼の地を再訪してみたいと夢描くようになりました。

※明日は不在のため休載させていただきます。

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