鉄道ホビダス

2011年6月27日アーカイブ

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▲大会プログラムの最後には私の講演「オーラルヒストリーから見えてくるもう一つの鉄道史」も組まれた。'11.6.26
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昨日の日曜日、多摩センターにある「パルテノン多摩」第一会議室に於いて、多摩地域史研究会の第20回大会「多摩の鉄道史Ⅱ ―私鉄と沿線開発―」が開催されました。

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▲多摩センター駅(左)から歩いて数分のところに公益財団法人多摩市文化振興財団が運営する多摩市立複合文化施設「パルテノン多摩」(右)がある。'11.6.26
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多摩地域史研究会は1990(平成2)年に発足した民間の歴史研究団体で、年に一度開催される大会では特定の時代とテーマに基づいた研究発表を、また年数回の例会では史跡探訪や歴史講座を行っています。これまでにもたびたび多摩の鉄道をめぐる研究発表が行われてきましたが、今年の大会は、中央線・青梅線など国有鉄道(買収私鉄含む)を主要テーマとした第17回大会(2009年)以来、3年ぶりに鉄道史を主テーマとしたものとなりました。

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▲「多摩」にちなんで中島飛行機専用線のその後の調査報告も行った。'11.6.26
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110627n15473.jpgそして今回のテーマは私鉄と沿線開発。西武・小田急・京王の私鉄3社を中心に、沿線開発と地域社会との関わりに光を当て、関東大震災後さかんになった鉄道企業による沿線開発の歴史が現在の多摩にどのような影響を与えているのかを考察しようという意欲的なものです。大会は午前10時から始まり、まず青山学院大学経済学部准教授の髙嶋修一さんが「大都市圏における私鉄企業と沿線開発 -職住接近の見果てぬ夢-」と題して発表、続いて東村山ふるさと歴史館の高野宏峰さんが「西武鉄道と沿線の発展」を、さらに成城学園教育研究所の荒垣恒明さんが「小田急電鉄と成城学園都市」を発表なさいました。
▲毎年の大会では立派な発表要旨集がまとめられている。
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髙嶋さんの土地整理組合と電鉄との関係の考察、高野さんの数々の初出資料を駆使しての発表はたいへん興味深いものでしたが、とりわけ荒垣さんの学園都市・成城の成立と小田急との関わりについての論証は目から鱗で、電鉄主導による開発というステレオタイプな見方を根底から考え直させるものでした。

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そんなお三方の発表のあとだけに誠に面映ゆいのですが、ぜひにと頼まれてしまい、私が「オーラルヒストリーから見えてくるもう一つの鉄道史」と題した講演を行いました。『森製作所の機関車たち』やトワイライトゾ~ンで取り上げた中島飛行機専用線の聞き取り調査、さらには『「SL甲組」の肖像』にまつわる例をご紹介し、どちらかというと文字史料に比べてプライオリティーが低く思われがちなオーラルヒストリーが、結果としてより立体的な鉄道史を生み出すことをお話申し上げました。
▲質疑応答とディスカッション。それぞれの立場でならではのご苦労が語られてゆく。'11.6.26
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最後に行われたディスカッションでは、資料発掘の方法論から電子的アーカイブへの将来的不安に至るまで活発な議論が行われ、多摩地域史研究会の情熱に圧倒される思いの一日でした。もちろん同研究会は鉄道史が専門ではありませんので、次回"鉄道"がテーマに取り上げられるのは何年後の大会になるかはわかりませんが、今からその機会を楽しみに待ちたいと思います。

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