鉄道ホビダス

2011年6月アーカイブ

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▲屋根上のふたつの塔が目を引く小浜線若狭本郷駅。'11.6.25 P:宮武浩二
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大阪の宮武浩二さんから若狭本郷駅に残る"トワイライト"な物件の情報をお送りいただきましたので、ご紹介してみましょう。

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▲木造建築の駅舎内部の"塔"も見事なトラス構造となっているのがわかる。'11.6.25 P:宮武浩二
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先日、小浜線若狭本郷駅に行ってきました。この駅は1990(平成2)年4月1日から9月30日まで大阪市鶴見緑地公園で開催された「国際花と緑の博覧会」でJR西日本が運転したSL義経ドリームエキスプレスの「風車の駅」を1991(平成3)年に福井県大飯町にある「若狭本郷駅」に移設したものです。ちなみに同じくSL義経ドリームエキスプレスの「山の駅」の駅舎は福知山線「柏原駅」に移設されています。

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▲一見すると"ホンモノ"と見間違わんばかりに良くできた「義経号」のレプリカ。'11.6.25 P:宮武浩二
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最近では珍しい木造建築の駅で、遠くからでも2つの塔が遠望できます。駅舎は線路の山手側ですが、駅の日本海側にはなんと「義経号」が保存されています。

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▲車輪や台車など細かな部分にまで拘りが感じられる。'11.6.25 P:宮武浩二
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▲いっぽう、キャブ内は簡素な造り。焚口扉もとりあえず形だけ...といった風情。'11.6.25 P:宮武浩二
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「義経号」は大阪の交通科学博物館に保存されていますので、首を傾げられるでしょうが、これは1999(平成11)年に設置された1/1の実物大のレプリカで、石川県の佐藤鉄工株式会社で製作されたものです。しかしレプリカとはいえ、外観は見事に忠実に再現されており、車輪には陽刻も入っており、知らない人が見ると、本物にしか見えません。車体に銘板は無く、機関車の横にある碑文のところに小さく製造プレートがはめ込まれております。

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▲製造銘板(左)と説明板(右)。佐藤鉄工は石川県松任市にあるメーカーのようだ。'11.6.25 P:宮武浩二
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花の万博ゆかりのものは、前述しました「山の駅」駅舎が柏原駅に現存しており、ドリームエキスプレスの客車3輌のうち2輌は梅小路蒸気機関車館のスチーム号の客車として現役です。20年前のドリームエキスプレスゆかりの車輌や施設が大切に残されているのはうれしい限りです。

※明日は不在のため休載させていただきます。

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山手線に新型シート。

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▲東京総合車両センターの下収容22番線にて公開されたE231系500番代550編成。同編成はLED照明搭載車。'11.6.28 東京総合車両センター P:RM(伊藤真悟)
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JR東日本では、シート単体の座り心地の良さだけでなく、立っている人や隣に座っている人など、周囲の方に迷惑がかからず快適に利用できることを目指したシートを山手線車輌1輌に試行的に装着。そのシートが6月28日に東京総合車両センターで報道陣に公開されました。

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▲サハE231-650に装着された新型シート。モケット柄は従来のシートと同様である。'11.6.28 東京総合車両センター P:RM(伊藤真悟)
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新型シートが装着されたのは東京総合車両センター所属のE231系500番代550編成の7号車(サハE231-650)で、7号車のみ新型シートになっています。ちなみに550編成といえば、LED照明を搭載した編成でもあります。

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▲新型シートを正面から見る。座面左右部の盛り上がりが特徴。'11.6.28 東京総合車両センター P:RM(伊藤真悟)
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新型シートはJR東日本研究開発センター先端鉄道システム開発センターと慶應義塾大学の山崎信寿教授との共同開発によるもので、背もたれを凹状にすることで上体を保持し、座面の左右部を盛り上げることで膝開き防止と深座りを促進します。従来のシートと比較すると、やはり座面の左右部の盛り上がりが目立つことがわかります。

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▲比較用に従来のシートを正面から見る。'11.6.28 東京総合車両センター P:RM(伊藤真悟)
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▲優先席も新型シートになっている。'11.6.28 東京総合車両センター P:RM(伊藤真悟)
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この新型シートを装着した550編成は6月29日より運行を開始、JR東日本では実用化に向けてシートの快適性・耐久性・コスト等の検証を行なう計画です。

取材協力:JR東日本東京支社

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▲丸瀬布森林公園いこいの森の軌道を行く、もと鶴居村営軌道の運輸工業製6tディーゼル機関車の牽く列車。'10.10.7
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昨年の日本鉄道保存協会総会(アーカイブ「日本鉄道保存協会総会より」参照)でもお世話になった北海道遠軽町企画課の只野博之さんから、丸瀬布上武利森林鉄道の廃線跡を歩く会のご連絡をいただきました。開催が今週末と迫っておりますので、ご興味をお持ちの方はお早くエントリーされるようご案内申し上げます。

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▲昨年の日本鉄道保存協会総会の際のひとコマ。いこいの森は何度訪れても再訪したくなる魅力に溢れている。'10.10.7
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丸瀬布といえば、2004(平成16)年に「北海道遺産」に指定された雨宮21号が走る丸瀬布森林公園いこいの森をまず思い浮かべますが、昭和30年代までは丸瀬布上武利森林鉄道(ムリイ幹線)が走る林業の町でした。他の北海道の林鉄と同様に、1級線と呼ばれる高規格の鉄道が広大な大地を貫くように直線基調で敷設されていたのも特徴で、橋梁などもたいへん立派なものが構築されていました。

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それだけに現在でも目にすることのできる遺構も多く、町づくり団体の夢里塾(上野善博塾長)が主催して、7月2日(土曜日)午前10時からお昼頃まで、1963(昭和38)年に廃止になったこの丸瀬布上武利森林鉄道(ムリイ幹線)廃線跡を歩く会が開催されます。今回の廃線跡を歩く会は、丸瀬布森林公園いこいの森公園内と、武利ダムからさけ・ますふ化場の間で実施。森林鉄道の線路跡を歩き、鉄橋の跡であるコンクリート橋台や線路下の暗渠(コンクリート製土管と擁壁)なども見学して往時に思いを馳せていただきたいとのことです。終了後は、お弁当を食べながら懇談し、やまびこ温泉での入浴も予定されているそうで、絶好のシーズンの丸瀬布に、森林浴がてらお出になってみられては如何でしょうか。
▲今回探訪予定のムリイ幹線の廃線跡の一部。かつてはここを1級森林鉄道が走っていた。P:夢里塾提供
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参加費は昼食費とやまびこ温泉入浴料、保険料込みで千二百円。
参加ご希望の方は、6月30日までに夢里塾事務局の只野さん(090-7516-6702)、もしくは伊藤さん(090-9512-1954)までご連絡くださいとのことです。なお、当日は、午前10時に丸瀬布森林公園いこいの森の雨宮21号駅舎前に集合、小雨でも決行するそうですが、晴天でも長靴と軍手は必ずご用意くださいとの伝言です。

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▲大会プログラムの最後には私の講演「オーラルヒストリーから見えてくるもう一つの鉄道史」も組まれた。'11.6.26
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昨日の日曜日、多摩センターにある「パルテノン多摩」第一会議室に於いて、多摩地域史研究会の第20回大会「多摩の鉄道史Ⅱ ―私鉄と沿線開発―」が開催されました。

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▲多摩センター駅(左)から歩いて数分のところに公益財団法人多摩市文化振興財団が運営する多摩市立複合文化施設「パルテノン多摩」(右)がある。'11.6.26
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多摩地域史研究会は1990(平成2)年に発足した民間の歴史研究団体で、年に一度開催される大会では特定の時代とテーマに基づいた研究発表を、また年数回の例会では史跡探訪や歴史講座を行っています。これまでにもたびたび多摩の鉄道をめぐる研究発表が行われてきましたが、今年の大会は、中央線・青梅線など国有鉄道(買収私鉄含む)を主要テーマとした第17回大会(2009年)以来、3年ぶりに鉄道史を主テーマとしたものとなりました。

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▲「多摩」にちなんで中島飛行機専用線のその後の調査報告も行った。'11.6.26
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110627n15473.jpgそして今回のテーマは私鉄と沿線開発。西武・小田急・京王の私鉄3社を中心に、沿線開発と地域社会との関わりに光を当て、関東大震災後さかんになった鉄道企業による沿線開発の歴史が現在の多摩にどのような影響を与えているのかを考察しようという意欲的なものです。大会は午前10時から始まり、まず青山学院大学経済学部准教授の髙嶋修一さんが「大都市圏における私鉄企業と沿線開発 -職住接近の見果てぬ夢-」と題して発表、続いて東村山ふるさと歴史館の高野宏峰さんが「西武鉄道と沿線の発展」を、さらに成城学園教育研究所の荒垣恒明さんが「小田急電鉄と成城学園都市」を発表なさいました。
▲毎年の大会では立派な発表要旨集がまとめられている。
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髙嶋さんの土地整理組合と電鉄との関係の考察、高野さんの数々の初出資料を駆使しての発表はたいへん興味深いものでしたが、とりわけ荒垣さんの学園都市・成城の成立と小田急との関わりについての論証は目から鱗で、電鉄主導による開発というステレオタイプな見方を根底から考え直させるものでした。

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そんなお三方の発表のあとだけに誠に面映ゆいのですが、ぜひにと頼まれてしまい、私が「オーラルヒストリーから見えてくるもう一つの鉄道史」と題した講演を行いました。『森製作所の機関車たち』やトワイライトゾ~ンで取り上げた中島飛行機専用線の聞き取り調査、さらには『「SL甲組」の肖像』にまつわる例をご紹介し、どちらかというと文字史料に比べてプライオリティーが低く思われがちなオーラルヒストリーが、結果としてより立体的な鉄道史を生み出すことをお話申し上げました。
▲質疑応答とディスカッション。それぞれの立場でならではのご苦労が語られてゆく。'11.6.26
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最後に行われたディスカッションでは、資料発掘の方法論から電子的アーカイブへの将来的不安に至るまで活発な議論が行われ、多摩地域史研究会の情熱に圧倒される思いの一日でした。もちろん同研究会は鉄道史が専門ではありませんので、次回"鉄道"がテーマに取り上げられるのは何年後の大会になるかはわかりませんが、今からその機会を楽しみに待ちたいと思います。

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▲『国鉄時代』は決して過去ばかりを追っているわけではない。もちろん"今"に生きる「国鉄」もしっかりとナビゲーション。 (『国鉄時代』vol.26より)

年に4回、お待ちかねの『国鉄時代』vol.26が完成いたしました。今回の特集はズバリ特急列車。さっそく担当の山下より今月号の見どころをご案内申し上げましょう。

110623ns_kutetsu_026.jpg『国鉄時代』vol.26、開くといきなり最新のC61 20号機が上越線を驀進している姿が目に飛び込んできます。『国鉄時代』と銘打っていても、「JR東日本」のC61 20の復活には惜しみない喝采を贈ります。蒸機ファンは居ても立ってもいられないのではないでしょうか。速報のグラフページに続く「再会ナビ」では、手軽で安全な撮影地をご紹介。この夏、久闊を叙しにお出掛けになるのも一興ではないかと思います。

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▲定期ブルトレではこの「出雲」の代走がEF58にヘッドマークがついた最後のものとなった。'77.11.30 P:成田冬紀 (『国鉄時代』vol.26より)
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さて、特集は特急列車。トップを飾る「特急列車異聞」では、EF58 68による代走「出雲」、EF58 61牽引の「北陸」東海道本線迂回など、ファンの間で伝説となっているシーンを、撮影のエピソードとともに成田冬紀さんに綴っていただきました。ある冬の朝、何も知らず根府川の白糸川橋梁たもとのお立ち台に立ったら、突然ロクイチがトンネルから飛び出して...。下回りが雪にまみれた14系には「北陸」の文字が! みなさんも一度や二度はこんな運命の女神が微笑んだ瞬間の経験をお持ちと思います。

110623nef58_akatsuki.jpgそれに続くのは京都在住の佐竹保雄さんのお馴染み山科の大築堤ですが、走っているのは未明に通過するはずの上りブルートレイン。大幅遅延で実現した夢のシーンです。
電車特急と言えばやはりその元祖たる151系。「ビジネス特急〈こだま〉が作り上げたもの」では、久保 敏さんに「20系」登場前夜から東海道の華として煌いた時代を振り返っていただきました。お勤めになっていた国鉄本社から撮ったクロ151が大阪側・東京側両方に付いた試運転列車の写真や工場内のカットなど、久保さんならではの貴重な写真で、輝ける時代を今に伝えます。
▲大作「EF58特急牽引史」は今号で完結。 (『国鉄時代』vol.26より)
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「EF58特急牽引史(下)」は、「はくつる」の583系化によりEF58牽引の特急は消滅、当初、もはや栄光は訪れないと思われていた"ヨン・サン・トオ"以降。1972年10月、突如EF58は「あかつき」「彗星」牽引に返り咲きます。「P型」が君臨した1975年3月のダイヤ改正までの第二期の黄金時代を中心に、特急牽引から引退するまでの記録。熱烈なゴハチファンならずとも、胸躍るストーリーです。

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▲服部重敬さんの「木曽路の闇を貫いた中央西線最後の蒸機急行」は急行「きそ52号」を丹念に追ったドキュメンタリー。 (『国鉄時代』vol.26より)
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一般記事の「C62三重連に燃えた夏」「木曽路の闇を貫いた中央西線最後の蒸機急行」「小浜線のC58」など蒸機ファンにも見逃せないラインナップで、夏に向けて大いに「圧」の上がる内容となっています。
特別付録DVDは、陸羽東線・石巻線・米坂線・花輪線・奥羽本線の蒸機を追った「みちのくの汽笛」、「日鉄羽鶴専用線の1080」、スポーク動輪が躍動する「筑豊のC55」の三本立てです。

※明日は不在のため休載させていただきます。

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▲犬吠-外川間を行くデキ3+ハフ2。実にのんびりとした情景だが、実は電車の故障によるピンチヒッターで、デキ3が外川まで入線することは非常に珍しかった。'58.9.1 P:白土貞夫 (RM LIBRARY『銚子電気鉄道』(下)より)
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たいへんご高評をいただいております白土貞夫さんによるRM LIBRARY『銚子電気鉄道』の下巻が完成いたしました。本書はそのルーツとも言える銚子遊覧鉄道の開業まで遡って、銚子電気鉄道について解説するもので、上巻では銚子遊覧鉄道開業から廃止までとその車輌、そして銚子鉄道開業から現在までの沿革、設備、駅、運転について紹介いたしました。下巻では銚子鉄道として開業してからの車輌を取り上げます。

110622nbn.jpg現在では「銚電」の略称が一般化している銚子電気鉄道ですが、銚子遊覧鉄道の廃止後、1923(大正12)年6月に再び開業した際の社名は「銚子鉄道」であり、現在でも地元では「銚鉄」と呼ばれることも多いそうです。その社名が示す通り、開業当初は非電化であり、ガソリン機関車2輌、客車2輌、貨車2輌の計6輌のみでのスタートでした。しかし、このガソリン機関車は2輌とも不調続きで、鉄道省から蒸気機関車を借り入れて急場を凌ぎ、1925(大正14)年には早くも電化、資金的に支援を受けていた伊那電から譲り受けた単車3輌が走り始めました。ちなみにこの時は社名の変更はなく、現在の銚子電気鉄道になったのは戦後の1948(昭和23)年、企業再建整備法に基づいて新会社に移行した際のことでした。

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▲ガソリン機関車は2輌が予定されたものの、開業に間に合ったのは「東京佐藤工作所」製と称する1輌のみで、1輌を借入れ、開業半月後に本来予定されたアメリカ・フェート・ルート・ヒース社製(プリムス)の2号が到着した。2号は電化後も残存し、デキ3が入線するまでヤマサ醤油専用線に発着する貨車の出し入れに活躍した。左ページの写真は1940年に銚子を訪ねられた裏辻三郎さんが撮影され、荻原二郎さんに託された貴重な2号機現役当時のひとコマ。 (RM LIBRARY『銚子電気鉄道』(下)より)
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また、銚子電気鉄道と言えば思い出されるのがドイツ・AEG製の小型電気機関車のデキ3ですが、銚子への入線は1941(昭和16)年のことです。「3」とはガソリン機関車2輌に続く付番でした。この機関車の役目は、それまで電化後もガソリン機関車2号が担当していた仲ノ町-銚子間での貨車牽引で、通常は普段は仲ノ町-外川間に入線することはありませんでしたが、電車故障によりデキ3+ハフの編成が外川まで運転されたこともあったそうです。

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▲上田丸子電鉄から入線したデハ501。到着当初は銚子方が貫通側だったが、到着翌日に国鉄銚子機関区の転車台を借りて方向転換している。右下の写真は根本幸男さんが記録された、仲ノ町以遠でただ1度だけあったという電車4輌編成。当時在籍した電車のうち101以外の全ての電車が連結されている。 (RM LIBRARY『銚子電気鉄道』(下)より)
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本書では以上を含め、伊予鉄から入線した最新の2000系電車まで、借入れ車も含めて歴代全ての車輌について紹介しております。戦前から銚子に勤務され、銚子電気鉄道を間近にご覧になり続けてきた白土さんならではの視点から詳述された、またとない文献と言える本書、ぜひ上巻ともども書架にお揃えください。

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▲左は1985年に導入された遊覧車・ユ101「澪つくし号」。まだ国鉄でも前年に四国・予土線で「清流しまんと号」が走り始めたばかりの頃で、ワム80000形改造という点も実にユニークであった。 (RM LIBRARY『銚子電気鉄道』(下)より)
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▲1971(昭和46)年には№2から№8まで7台の96が集結。三重連も実施された。'71.8.22 南大夕張駅 P:三菱大夕張鉄道保存会提供
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昨年10月に開催され好評を博した「夕鉄バスで行く夕張廃線跡ツアー」が今年も行われることが決まりました。現在建設中のシューパロダムが完成する2013(平成25)年には南大夕張以北の廃線跡も見られなくなってしまうはずで、この機会にぜひ...と三菱大夕張鉄道保存会の奥山道紀会長よりインフォメーションを頂戴いたしましたのでご紹介いたしましょう。

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▲1面1線の発着となった清水沢駅。大夕張鉄道は駅舎側より発着していた。P:三菱大夕張鉄道保存会提供
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▲駅名標の取り付け(左)'11.4.24/オハ1の補修(右)。'11.5.22 P:三菱大夕張鉄道保存会提供
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かつては9200形や9600形が石炭列車や、個性豊かな客車を従えた混合列車の牽引に活躍し、末期は「ストーブ列車」としてファンの注目を集めた三菱大夕張鉄道(1911~1987年)ですが、南大夕張駅跡に残された除雪車キ1(1940年・苗穂工場)、ダルマストーブが積まれ沿線住民に親しまれた客車スハニ6(1913年・大宮工場)、国内最古の石炭貨車セキ1(1911年・汽車)等は長らく放置され荒廃し、ホームも崩れ朽ち果てようとしていました。1999(平成11)年に市民やファンなどにより、三菱大夕張鉄道保存会が結成され、補修活動を展開した結果、不完全ながらも車輌は往時の輝きを取り戻し、ホームも修復が進んでいます。

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▲かつては乗降客で賑わった明石町駅ホームの痕跡。P:三菱大夕張鉄道保存会提供
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南大夕張駅跡と三菱大夕張鉄道保存車輌は、「空知の炭鉱関連施設と生活文化」として2001(平成13)年に「北海道遺産」として指定されたのに加え、2007(平成19)年には経済産業省より「近代化産業遺産」として認定され、今では休日には観光バスやマイカーで多くの観光客が訪れるようになりました。

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▲9200形蒸気機関車を先頭に客車4輌、その後に無数の石炭貨車が続いている。大夕張駅 RMライブラリー『三菱鉱業大夕張鉄道』所収。P:三菱大夕張鉄道保存会提供
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廃線跡も大きく変化し、国鉄との接続駅だった清水沢駅も今は1面1線のホームだけで、南大夕張までの区間も国道の整備などで大きく変貌しています。南大夕張以北の廃線跡については、明石町までの間がサイクリングロードとして整備され利用されていた時期もあり、国道沿いに比較的痕跡が残っていましたが、大夕張ダム下流155mの地点に2013(平成25)年完成を目指して建設の進むシューパロダムの建設により、国道の付け替え工事が進み、早ければ今秋にも新道に切り替えが行われる予定です。シューパロダムの堤高は110.6mで、完成時には堤高67.5mの大夕張ダムをまるごと呑み込むこととなり、既に保存車輌の側のシューパロダムインフォメーションセンターの背後には、新しいトンネルが坑口を開けています。

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▲シューパロ湖に沿って大夕張炭山へ向かう混合列車。湖畔の崩落覆は今も残る。'70.11 P:三菱大夕張鉄道保存会提供
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▲シューパロ湖畔に残る青葉崩落覆。P:三菱大夕張鉄道保存会提供
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かつて9600が通り抜けた青葉トンネルは堤体工事中の国道に利用されており、湖畔には崩落覆いが残り、対岸には森林鉄道の三弦橋が望めます。明石町には駅地下道の入口やホームの残骸が残っているものの、旭沢橋梁の背後の高い位置には既に付け替えの橋が完成しています。炭鉱住宅が建ち並び二万の人々が暮らした大夕張にはダムの骨材プラントが操業し、背後のずり山が往時の炭鉱の存在を伝えているだけです。

110621n013.jpg三菱大夕張鉄道保存会では昨年に続き7月31日(日)に、札幌発着で「夕鉄バスで行く夕張廃線跡ツアー」を企画・実施します。往路は栗山公園(夕鉄21号)・新二岐と夕張鉄道の面影をたどって夕張市内に入り、財政破綻により閉鎖中のSL館(夕張14号、ナハニフ151、三菱大夕張№4)を見学、復路は大夕張炭山から、旭沢橋梁・三弦橋、南大夕張の保存車輌を経て、安平町鉄道資料館(D51320)を見学して札幌に帰着します。
水没間近の廃線跡探訪の貴重な機会となりますので、多くの皆様の参加を期待しています。なお、9月には恒例の汽車フェスタに加えて、鉄道遺産活用ミニシンポジウムも予定しています。
詳しくは下記でご確認下さい。
http://www.geocities.jp/ooyubari_rps/index.html

▲今回のバスツアーのフライヤー。
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▲大夕張駅腕木信号機の基礎の背後にはダム工事のプラントが操業中。P:三菱大夕張鉄道保存会提供
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6月4日の営業運転開始以来、世代を超えて大人気のC61 20号機。昨日、一昨日の週末は旧型客車をヘッドマークなしで牽引するとあって、上越線沿線に繰り出された方も多かったのではないでしょうか。そんななか、主人公のC61 20号機の"表情"が微妙に変化したのにお気づきになられた方もおられたことでしょう。
▲旧客6輌にヘッドマークなし。C61 20の表情を見ると先週までとは微妙な変化が...。'11.6.19 渋川―八木原 P:加藤 潤 (「今日の一枚」より)
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そうです、正面のナンバープレートの取り付け位置がわずかに高くなったのです。復元工程にある時から、正面のナンバープレートが少々低いのでは...との声があったのは確かですが、わざわざこんなマニアックな微調整まで行われようとは誰が想像したでしょうか。

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▲「定点観測」によるその表情の変化。従来の取り付け位置(下)と比べると微妙に上方修正されているのがわかる。'11.6.18/'11.4.27 群馬総社―八木原 P:木村一博

取り付け位置の修正が行われたのは先週の半ば。プレートの天地寸法(200㎜)から換算すると、40㎜ほど取り付け位置が上方に変更されています。改めて写真を見てみると、先週までのどこか柔和な表情から、いかにも急客機らしい精悍な表情に変貌を遂げたようにも感じられます。

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▲より凛々しい表情となったC61 20。今週末もヘッドマークを付けずに旧型客車の先頭に立つ。'11.6.18 群馬総社―八木原 P:木村一博
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振り返ってみれば、蒸機現役時代には正面のナンバープレートの取り付け位置がやたらと高いもの、逆に妙に低いもの、なかにはどう見ても傾いでいるものなど、まさに十人十色の様相を呈していました。もちろん好みの問題もありましょうが、正面ナンバープレートはやはり"目鼻立ち"を左右する重要なファクター。これから始まる重連運転や同時発車など大きな見せ場に向けて、改めて期待が高まります。

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▲借景をして完成記念写真を撮影。どこぞの土地改良事業の現場といったところか...。自作したエキパイとへこんだマフラーが我ながらお気に入り。
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今日はひさしぶりに個人的な模型の話題をひとつ。
すでに何回かそのメーキングをご紹介してきた(下記リンク参照)フランスのレジンキットメーカー、スモーキー・ボトム・ランバー・カンパニーの3/8inスケールGLですが、今年初めにふと思い立って展示用のミニ「お立ち台」を製作、一応、車輌本体とともにフィニッシュといたしました。

110306n024.jpgラッテンストーンでのトリートメント効果で"現場感"は醸し出されたものの、終始悩ましく結論を先送りしてきたのがパワートレーンでした。走行性能、しかも低速安定性を考慮すればファールハーバーのコアレスモータでも驕って自作するのがベストでしょうが、いかんせん車体はワンピースのレジン。細かい造作には何かと制約があり、結局落ち着いたのがメーカー、リチャードさんご指定のパワトラ。あまりに安易な落とし所ですが、考えてみれば将来的に3/8inスケールで運転を前提としたレイアウトを作る可能性はゼロに近く、ディスプレイ・モデルが動くポテンシャルを秘めている程度で手を打つことにしたというわけです。
▲これが新作(?)「お立ち台」。100円ショップで購入したものだが、せめてものお化粧をと、周囲にワニスだけは塗ってあげた。
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■これまでにご紹介した関連記事 (製作順)
・リチャードさんからのクリスマスプレゼント →こちら (製品到着)
・レジンキットその後。 →こちら (キット内容)
・進化する"ウェザリング"。 →こちら (エンジンのメーキャップ)
・レジンキットその後。(2) →こちら (ラッテンストーン・トリートメント)
・RAIL EXPOの旅。(15) →こちら (パリで完成披露)

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▲ご覧のようにラッテンストーンのトリートメント効果は独特のもの。アバウトな作りのレジンキットも、排気管押さえに驕った六角ボルトや、ライトへのダミー配線などちょっとしたディテールでぐっと生き生きしてくる。
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「お立ち台」のベースは近くの100均ショップで買ってきた木製のもの。一応セオリー通りに引き抜きレールをハンドスパイクして、その上に車輌を載せただけのものですが、持ち運び用に底面からボルトを貫通させて車体下部を締結できるようにしてあります。とある酒席に持ってゆかねばならなくなったための一策で、これによって車輌と「お立ち台」が一体化、酔った勢いで不用意に「お立ち台」を持ち上げられて車輌がゴロン...という事態は防げました。

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▲「お立ち台」のマテリアルは例によって"そこら"で拾ってきた天然素材が中心。ランダムにばらまいたように見える枯れ枝や草も、実は仕上がりを見ながらピンセットでひとつずつ接着していっている。
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スモーキー・ボトム・ランバー・カンパニーといえば、もうひとテーマ、やはりレジン製の給水塔もメーキングをお伝えしておりましたが、実はこちらも昨年完成。近々また小ブログにてご紹介してみたいと思います。

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▲運転初日には熊本駅で一日駅長に「くろちゃん」のような真っ黒な姉妹犬を招いて出発式が開催された。'11.6.4 熊本 P:宇都宮照信
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去る6月4日(土曜日)から豊肥本線熊本-宮地間で観光特急「あそぼーい!」が運転を開始しました。今年1月11日まで特急「ゆふDX」で使用されていたキハ183系1000番代4輌を種車に誕生したもので、デザインは水戸岡鋭治氏、改造は小倉工場が担当しています。

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▲キハ183-1001。最前部にパノラマシート、上部に運転室を備えている。'11.6.4 阿蘇 P:宇都宮照信
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車体は白と黒のツートンに、同列車用にデザインされた犬のキャラクター「くろちゃん」が散りばめられています。室内はフローリング構造で、驚くほどに多彩な設備が用意されています。まずはその一部をご覧ください。

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▲運転室下部のソファとコモンスペース。落ち着いた大人の雰囲気。'11.5.28 九州鉄道記念館 P:宇都宮照信
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▲軽食を提供するビュッフェも用意。その名もくろカフェ。'11.5.27 九州鉄道記念館 P:宇都宮照信
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▲木のプールの奥に白い幼児と大人のペアで腰掛けられるクロちゃんシートを配した室内。白を基調としたとても明るい雰囲気。'11.5.27 九州鉄道記念館 P:宇都宮照信
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▲子供の好奇心を高める個室や絵本も用意。床はカーペット敷きで決め細やかな対応がなされている。'11.5.27 九州鉄道記念館 P:宇都宮照信
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とりわけ注目なのは3号車のファミリー車輌でしょう。子供の目線で車窓が楽しめる白い"くろちゃんシート"をレイアウト。この他、最前部のパノラマシート、カウンター(1号車)、セミコンパートメント(2号車)、コモンスペース(2号車)、ソファ(4号車)など見どころが目白押しです。

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▲ヘッドレスト、背もたれ、腰掛モケット...その全てが親子(幼児)でくつろげる構造となっている。'11.5.27 九州鉄道記念館 P:宇都宮照信
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▲4号車運転室から後は一般席(左)。右は2号車の一般席。'11.5.27 九州鉄道記念館 P:宇都宮照信
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▲2号車コモンスペース側のデッキ部に貼られたくろちゃんの絵画(左)。右は対面式で長椅子を配したコモンスペース。'11.5.27 九州鉄道記念館 P:宇都宮照信
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この特急「あそぼーい!」は来年2月26日までの土曜・休日と11月4日、夏休み・冬休みの毎日運転されます。 
■「あそぼーい!」運転時刻
     熊本発 宮地着      宮地発 熊本着
101号 10:26→12:00  102号 12:20→13:40
103号 13:51→15:21  104号 15:40→17:11
なお、見どころいっぱいの本車については本誌今月発売号でさらに詳しくご紹介する予定です。

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▲この特急「あそぼーい!」の運転開始に合わせて阿蘇駅も全面的にリニューアルされた。'11.6.1 阿蘇 P:宇都宮照信
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▲上野方1号車クハE656形を先頭にした「K1」編成。車体色はわずかに赤みがかかった白を基調とし、窓下には鮮やかな紅梅色をあしらって「白梅・紅梅」の組み合わせを演出している。また、裾部には紫がかったグレーを配色している。'11.6.13 勝田車両センター P:RM(新井 正)
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現在E653系、651系が充当されている常磐線特急(「スーパーひたち」、「フレッシュひたち」)の置き換え用としてJR東日本が開発していたE657系の第1編成が完成、一昨日、勝田車両センターで報道公開されました。

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▲5号車サロE657形の車内。グリーン車のシートには梅の柄があしらわれている。'11.6.13 勝田車両センター P:RM(新井 正)
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▲普通車の車内。シートピッチは在来のE653系に比べて50㎜広い960㎜となっている。'11.6.13 勝田車両センター P:RM(新井 正)
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▲5号車の多目的室と車販準備室(左)。右は同じく5号車に設けられた電動車イス対応大型便所。'11.6.13 勝田車両センター P:RM(新井 正)
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このE657系は来年2012年春以降、常磐線の上野~いわき間に投入されるもので、6M4Tの10輌編成。先頭車とグリーン車にフルアクティブサスペンションを搭載するとともに、車体間ダンパを全車に装備するなど、乗り心地のさらなる向上が図られています。営業最高速度は651系やE653系と同じく130km/h。編成で3ユニットの固定編成とし、保安装置を二重系化するなど故障に対する冗長性の確保にも重点が置かれています。

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▲既存車種と極力機器配置を統一した運転台。日除け上部に編成番号の「K1」が標記されているのがわかる。'11.6.13 勝田車両センター P:RM(新井 正)
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客室設備では、グリーン車は電球色光、普通車は白色光の間接照明を採用したほか、静電吸着型空気清浄機・オゾン脱臭機も設置されています。また、空調を個別吹き出しとすることで、各座席で風向きと風量の調整ができるようにも配慮されています。さらにビジネスユース等への対応として、各座席にパソコンを置けるテーブルとコンセントが設置され、WiMAXを用いたブロードバンド環境を構築して、車内でも快適にインターネットが利用できるようになっています。

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▲常磐線を代表するE653系(左)、E531系(中央)と顔を合わせた期待のニューフェースE657系。'11.6.13 勝田車両センター P:RM(新井 正)
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定員は600名(グリーン車30名、普通車570名)。今後、10輌編成×16本の160輌が新製される予定となっています。なお、このE657系については本誌今月発売号で速報を、7月発売号で詳細解説を掲載予定ですので、どうかご期待ください。

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▲E657系の車輌概要。JR東日本提供
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今日は、震災前にプレビューをご紹介しようと思いながらも機を逸してしまったビデオのご紹介をいたしましょう。3月下旬に発売された『思い出の鉄路』で、ネーミングこそ至極一般的ですが、その内容はかなりマニアックで、軽い気持ちで見始めたもののぐいぐいと画面に引き込まれてしまいました。

omoidenotetsuro01.jpg2枚組のDVD-BOXとしてリリースされた本作品は、全国のNHK映像資料から、今は廃止になった路線の現役時代の貴重な映像を集め、鉄道が活躍していた頃の活気と人々の生活を重ね合わせて紹介するもので、今年元日の深夜にNHK BS1で放送されて静かな反響を呼んだものです。

『思い出の鉄路』DVD-BOX(2枚組) 収録内容
■北海道・本州編
北海道編Ⅰ/手宮線、夕張鉄道、深名線、三菱美唄鉄道
北海道編Ⅱ/万字線、広尾線、名寄本線、三菱大夕張鉄道
本州編Ⅰ/南部縦貫鉄道、小坂鉄道、蒲原鉄道、東野鉄道
特典映像:別海村営軌道 馬車鉄道 
<本編60分+特典19分>
■本州・四国・九州編
本州Ⅱ・四国編/木曽森林鉄道、小松島線、明神電車、加悦鉄道
本州編Ⅲ/片上鉄道、下津井電鉄、井笠鉄道、宇品線
九州編/幸袋線、佐賀線、高千穂線、山野線
特典映像:消えゆく蒸気機関車 昭和46年放送「話題の窓」より
<本編60分+特典18分> 

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▲特典映像 消えゆく蒸気機関車 昭和46年放送「話題の窓」より。 提供:ティーワン株式会社
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いずれも昭和30年代から40年代にかけてNHKが本格的に撮影したもので、いわゆる"本線筋"の斜め七三映像ではなく、「北海道・本州編」では手宮線、万字線、「本州・四国・九州編」では小松島線、宇品線、幸袋線といったほとんど動画を目にしたことのない路線の日常風景が、あの「新日本紀行」を思わせるタッチで描かれているのが特徴です。また、東野鉄道や井笠鉄道、さらには非営業の木曽森林鉄道や明延鉱山(明神電車)までもが収録されており、その意味でもたいへん貴重な記録と称せましょう。

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▲特典映像 別海村営軌道 馬車鉄道より 提供:ティーワン株式会社
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そして個人的に感激したのが「北海道・本州編」に特典映像として添付されている別海村営軌道の馬車鉄道映像です。別海村営軌道=簡易軌道風蓮線の馬鉄については、広田尚敬さんが名ルポルタージュを残しておられ、その作品は「一馬力の殖民軌道 -簡易軌道風蓮線の一日-」と題して『昭和三十四年二月 北海道』にも収録させていただきました。ところが今回の特典映像を見て目が点になったのは、広田さんがお撮りになられた御者さんその人が登場すること。しかもミルク缶を積んで、お客さんを乗せてと、シチュエーションもそっくり。まさに「一馬力の殖民軌道 -簡易軌道風蓮線の一日-」がそのまま動画となったような内容なのです。
一仕事終えた週末の夜、水割りでも傾けながら見れば、まさに至福の時間が訪れるに違いありません。

『思い出の鉄路』DVD-BOX(2枚組)
発行・販売:NHKエンタープライズ ©2011 NHK
¥7,600(税込¥7,980) 本編120分+特典37分 片面一層/16:9LBカラー(一部モノクロ)/ステレオ

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阪堺モ161復元完成。

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▲昭和40年頃の懐かしい姿に復元されたモ161号。写真手前、乗務員席右側のドアは締切扱いのため乗降口の標記はない。'11.6.10 我孫子道車庫 P:高間恒雄
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モ502号を東京都交通局の旧都電カラーに塗り替えたり(アーカイブ「阪堺電車モ502 旧都電カラーで活躍中」参照)、モ162・163号を南海時代の塗色に戻したりと、このところファンにとっては嬉しい積極的な施策を次々と繰り広げている阪堺電気軌道ですが、阪堺線開通100年を迎えるアニバーサリーイヤーである今年、モ161形のトップナンバー161号が昭和40年当時の姿に復元されてお目見えしました。

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▲見事な拘りで復元された車内。木部はすべて従来の塗装を剥離した上で研磨、ニス塗りとされている。'11.6.10 我孫子道車庫 P:高間恒雄
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あらためてご紹介するまでもないかと思いますが、モ161形は1928(昭和3)年生まれの、通常運用を持つ電車としてはわが国最古参の半鋼製車です。かつては16輌の仲間がいましたが、現在残っているのは10輌。今ではこの161形目当てに訪れる観光客の方もおられるほどの人気ぶりです。

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▲正面の方向幕窓は幕板とツライチになるようにカバーが取り付けられており、正面窓下に方向板が下げられている。なお、オデコの尾灯位置は本来はもっと下だが、ワンマン化の必需品・バックミラーの関係から変更は見送られている。'11.6.10 我孫子道車庫 P:高間恒雄
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110613n004.jpg今回の復元に当たっては現役車輌としての条件に支障をきたすことなく、可能な限りの復元を目指されたそうで、目指したのはニス塗りのドアや車内が健在だった時代。ただし集電装置をポールにするわけにはゆきませんので、パンタグラフを搭載して、なおかつ古き佳き面影を色濃く残していた昭和40年頃を復元の目標としたとのことです。特徴的な側面ドアも新たに作り替えられ、屋根は鉛丹色に塗り替えられ、雨樋は段付きのものが復元されています。また、前面の方向幕窓も蓋状のカバーで覆う配慮もなされています。
▲外観は昭和40年当時ながら、もちろんワンマン機器や無線などは巧みに活かされている。'11.6.10 我孫子道車庫 P:高間恒雄
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また車内も木部は塗装を剥離して下地処理を施したのちにニス塗りに戻され、えんじ色だったモケットも当時の青色のものに取り換えられています。室内灯は白熱灯ではなく蛍光灯ですが、過渡期には一時この外観・内装で蛍光灯に変更されていた時代もあったようです。

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▲ずらりと並んだモ161形のカラーバリエーション。齢80歳を超えて全車今なお現役! '11.6.10 我孫子道車庫 P:高間恒雄
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この復元161号、当面は貸切電車として運行される予定で、この12月に開通100年を迎える同社の最古の、そして新しい"顔"として人気を博すに違いありません。
なお、本車に関しては本誌7月発売号誌上で詳しくお伝えする予定です。

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▲気仙沼線は海岸沿いを走るほとんどの区間が津波の被害を受け、復旧には街の復興計画の策定を待つために、年単位の月日がかかるとのこと。'04.3 小金沢-大谷海岸 P:大穂耕一郎
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昨日ご紹介した「東北の鉄道応援」チャリティー写真展 in 会津鉄道 芦ノ牧温泉駅に続いて、今日は秋田内陸縦貫鉄道比立内駅イベントスペースで来週6月18日から始まる「がんばろう東北の鉄道!写真展」をご紹介いたしましょう。

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▲三陸鉄道南リアス線甫嶺-三陸間の状況。このような箇所がいたるところにある。'11.5.11 P:東北運輸局提供
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情報をお寄せくださったのは『国鉄時代』で「空とレールの間には」を連載下さっている大穂耕一郎さん。大穂さんは長らく東京・八王子で小学校の先生をされながら、学生時代に学んだ秋田を中心とした東北の鉄道のサポートを続けてこられましたが、今春、意を決し秋田への移住を決意...そんな矢先に東日本大震災が起こりました。一時はあまりの事態に呆然自失だったというこの二か月余りについては、次号『国鉄時代』に詳しくお書きになっておられます。感涙を禁じえない一文で、発売時にはぜひ多くの皆さんにお読みいただきたいと思います。

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▲北リアス線では、久慈-陸中野田間と宮古-小本間で「復興支援列車」と名付けて運転されている。宮古側は、震災のとき宮古に1輌だけあった車輌を使用していたが、朝の宮古行きの乗客が130人にもなり、1輌ではいっぱいになっているので、久慈の車輌基地から1輌を陸送した。写真はその据付作業。'11.5.28 P:三陸鉄道提供
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「がんばろう東北の鉄道!写真展」
■開催の目的
3月11日の震災と津波で大きな被害を受けた東北の鉄道の早期復旧・復興に向けた世論作りの一助にする。特に、三陸鉄道を初めとする第三セクター鉄道、私鉄、そして三陸沿岸のJRローカル線の現状と、かつての素晴らしい風景を対比させて、復興への機運を盛り上げる。また、秋田内陸線をはじめとする各社も、観光客の激減により、厳しい経営を迫られていることから、沿線での写真展の開催を通して、利用客の増加を図りたい。
■開催期間と場所
6月18日(土)から6月30日(木)まで、比立内駅イベントスペースで開催する。
開催時間は9:30~16:00。
その後は内陸線のほかの駅、県内、そして他の鉄道沿線などでの開催も予定している。
<主催> 秋田内陸地域公共交通連携協議会
<共催> 北秋田市 秋田内陸縦貫鉄道(株) 東北鉄道協会
<後援> 国土交通省東北運輸局

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会場には大穂さんとお仲間が長年にわたって撮影されてきた東北地方太平洋沿岸の線区の被災前の風景写真(6割程度)を中心に、三陸鉄道、東北運輸局からも提供を受けた被災現場の写真(2割程度)、そして復興に向けてがんばっている現況写真(2割程度)、合計40枚程度が展示されるほか、三陸鉄道のグッズが、地元の内陸線グッズと合わせて販売されます。また、復興のための募金箱も設置(募金の届け先は東北鉄道協会)されるそうです。
大穂さんもおっしゃっておられますが、闇雲な自粛は風評被害にも苛まれている東北の鉄道にとって足かせでしかありません。この夏は、支援の意味も込めて、皆さんもぜひ東北の鉄道に足をお運びください。

※明日は不在のため休載させていただきます。

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▲見学者で賑わう写真展会場。プロ・アマを問わず多くの写真家がボランティア参加している。'11.6.5 P:会津きどうしゃ愛好会
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鉄道ボビダスでもご案内した「東北の鉄道応援」チャリティー写真展 in 会津鉄道 芦ノ牧温泉駅が6月5日に開幕いたしました。この写真展を企画された会津きどうしゃ愛好会の宇尾野 智さんからオープン当日の写真とメッセージをお送りいただきましたので、さっそくご紹介いたしましょう。

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▲写真展会場は引退したトロッコ車輌「AT-301」(元国鉄キハ30 18)の車内。'11.6.5 P:会津きどうしゃ愛好会
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東日本大震災により被災した鉄道を写真で支援しようと、プロの鉄道写真家と東日本各地で活躍する鉄道写真愛好家の有志が立ち上がりました。題して「『東北の鉄道応援』チャリティー写真展」。東日本地域の鉄道を写した写真を展示、販売し、その収益金を被災した鉄道会社へ寄贈しようという企画です。鉄道写真家の米屋こうじ氏を発起人として、5月に山形鉄道 西大塚駅で第一弾が開催されました。

110608n026.jpgこのたびご縁があり、会津きどうしゃ愛好会の手により会津鉄道 芦ノ牧温泉駅で第二弾を開催させていただくこととなりました。今回は、実に30名もの写真家の方々に賛同をいただき、たくさんの写真を提供していただきました。
また、会津鉄道様のご厚意により、2009年11月に引退し、今は芦ノ牧温泉駅の側線に留置されているトロッコ車輌「AT-301」(元国鉄キハ30 18)を会場として使用させていただきました。車内いっぱいに素晴らしい鉄道写真がずらりと並ぶ様は壮観、夢のような光景です。
▲挨拶に立つ発起人の米屋こうじさん。'11.6.5 P:会津きどうしゃ愛好会
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▲遠来のお客さんも交えての開会式。'11.6.5 P:会津きどうしゃ愛好会
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当日は、今回の支援先でもある ひたちなか海浜鉄道「おらが湊鐵道応援団」の方々に来訪いただいほか、関東や遠くは中京圏からのお客様もいらっしゃり、大盛況となりました。
この写真展、6月26日までの土・日曜に開催しています。毎週末、会津鉄道ではトロッコ列車が運転され、風光明媚な景色を堪能することができます。ぜひとも全国の皆様には会津鉄道に乗ってご訪問いただき、お気に入りの写真や鉄道グッズをお買い求めいただきたいと思います。

110608n024.jpg■開催日/6月5日(日)から6月26日(日)までの土曜・日曜
■時間/9:00~17:00
■場所/会津鉄道 芦ノ牧温泉駅(トロッコ車輌AT-301車内)
■アクセス/会津若松駅から会津鉄道の列車で約20分
関東方面からは東武鉄道スペーシア+AIZUマウントエクスプレスの乗り継ぎが便利です。
※会津鉄道支援のため、列車利用にご協力ください。
※震災の影響で一部運休列車があります。詳細は会津鉄道にご確認ください。
 http://www.aizutetsudo.jp/
▲ひたちなか海浜鉄道「おらが湊鐵道応援団」の佐藤団長も駆けつけてくれた。'11.6.5 P:会津きどうしゃ愛好会
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▲ジャンルを超えて写真展に協力した皆さんが記念撮影に収まる。'11.6.5 P:会津きどうしゃ愛好会
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■出展者
安部聡・宇尾野智・衣斐隆・大堀博・大藪琢也・小野孝志・小野広隆・金盛正樹・色摩高幸・鈴木周司・高木比呂志・高橋敏明・中井精也・中川宗右衛門・中村彰憲・野村浩志・橋本秀樹・長谷川修・広田泉・船越知弘・安富生・吉田幸弘・米屋こうじ(五十音順)
■お問合せ先/会津きどうしゃ愛好会
s-uono@ymail.plala.or.jp (担当 宇尾野)

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▲誕生した新型「サザン」12000系。愛称は「サザン・プレミアム」。'11.6.1 住ノ江検車区羽倉崎検車支区 P:高橋 修
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難波と和歌山市、和歌山港を結ぶ通勤特急として活躍している南海電気鉄道の特急サザン10000系の後継車12000系が誕生、先日報道公開されました。現在、特急車と一般車を連結した一部指定制特急サザンと、一般車のみで運行する自由席特急が混在していますが、このたびの12000系導入により自由席特急は廃止され、一部指定制特急サザンのみによる完全30分ヘッドの運行が実現することとなります。

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▲12001(Mc1)。なんば方1号車で制御電動車。VVVFインバータ制御装置、パンタグラフを搭載(左)。その側面のデザイン化された路線図と社名(右)。'11.6.1 住ノ江検車区羽倉崎検車支区 P:高橋 修
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12000系は「サウスウェイブ」をデザインコンセプトに、ひとクラス上の設備・利用価値を提供する車輌をめざし、愛称も「サザン・プレミアム」とされています。編成はなんば方からMc1(定員60人)、T1(定員68人)、T2(定員64人)、Mc2(定員50人)の4輌編成で、編成全体での定員は242人となっています。

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▲その室内。腰掛はゆったりくつろげる広々としたシートで、背面にテーブルを用意。シートピッチは1,010mm、シート高さは1,140mm、リクライニング角度は最大25.5度。'11.6.1 住ノ江検車区羽倉崎検車支区 P:高橋 修
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エクステリアデザインは車輌先頭部から車体側面(上部)につながるブルーのラインと、車体側面(下部)に丸みを帯びたブルーとオレンジのラインを施し、「大阪湾岸・和歌山へ押し寄せる人と車輌の『波』、全国から大阪ミナミへ押し寄せる人の『波』」を表現しており、愛称である「サザン・プレミアム」を表現するため、Mc2車貫通扉にはステンレス製のエンブレムを、各車輌の側面にはロゴがあしらわれています。また、Mc2車の側引戸横には大阪湾と海岸線に沿った形に走る南海線をイメージしたイラストと「NANKAI」のロゴが配されています。

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▲座席背面下部に設けられた電源コンセント(左)。右は荷棚上部に設置されている「プラズマクラスターイオン発生機」。大手私鉄では初の試みである。'11.6.1 住ノ江検車区羽倉崎検車支区 P:高橋 修
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座席は二人掛けリクライニングシートで、シートピッチは1,010mm。天井中央部には光天井と呼ばれる照明を配置し、荷棚にも照明を設置しており、さらに荷棚上部にはウイルスの作用を抑制するとともにカビ菌などを分解・除去する「プラズマクラスターイオン発生機」(注)が搭載されています。
(注)プラズマクラスターおよびPlasmaclusterは、シャープ株式会社の商標です。

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▲引戸構造の側扉(左)。上部には防犯カメラ、床には警戒色が配されている。右はMc1車に用意された多目的室。'11.6.1 住ノ江検車区羽倉崎検車支区 P:高橋 修
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▲貫通路を確保するため、運転室はコンパクトにまとめられている(左)。Mc2に用意される車椅子対応トイレ(右)。緩やかな曲線が優しさを醸しだしている。'11.6.1 住ノ江検車区羽倉崎検車支区 P:高橋 修
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この新型サザン「サザン・プレミアム」12000系は4輌編成2本が本年9月1日より営業運転を開始する予定です。なお、本誌今月発売号では南海電気鉄道車両部による詳しい解説を掲載予定ですので、どうかご期待ください。

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C61 20営業運転を開始。

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▲多くのファンに見守られ、高崎駅を発車する「快速SL C61復活号」初列車。 '11.6.4 高崎 P:神山宗二 (「今日の一枚」より)
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一昨日6月4日、復活を果たしたC61 20号機がついに営業運転を開始しました。9時30分より高崎駅2番線ホームで行われた復活記念セレモニーでは、スペシャルゲストとして山田洋次監督も登場、華々しく式典が開催されました。ちなみに山田洋次監督は昨年の華蔵寺公園遊園地からの搬出作業以来、ずっとドキュメンタリーとしてこのC61 20号機の復元作業を撮り続けてこられ、その成果は近々公開されるとのことです。

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▲「復活C61 20」出発進行! '11.6.4 高崎 P:高橋孝一 (「今日の一枚」より)
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110606n003.jpg幸い梅雨の合間の青空が広がる爽やかな日となり、満員の客車6輌を従えたC61 20は9時56分に高崎を発車、一路水上へと向かいました。ところで、今回の復活では主役のC61 20にばかり目がゆきがちですが、同時に復元整備された旧型客車の存在も見逃してはなりません。復元整備にあたっては旧型客車7輌の蒸気暖房装置復元装備が行われており、冬場にはあの懐かしい蒸気暖房が復活するはずです。
▲特製のヘッドマークには震災復興へのメッセージも...。'11.6.4 水上 P:吉川誠一  (「今日の一枚」より)
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C61 20号機の「快速SL C61復活号」は今後も6月中の土日、高崎~水上間を各日一往復します(運転予定は→こちら)。また7月2日にはC57 180号機との重連による上越線「快速SL ググっとぐんまみなかみ号」(高崎9:56発)と、D51 498号機牽引の信越本線「快速SL ググっとぐんま碓氷号」(高崎9:56発)が同時発車するという3輌の動態保存蒸機の競演も控えており、しばらく群馬から目が離せそうもありません。

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▲旧型客車を牽くハドソンC61の姿はかつての奥羽本線矢立峠を思い起こさせてくれる。'11.6.4 津久田―敷島 P:上田憲一 (「今日の一枚」より)

■これまでにご紹介したC61 20号機関連記事
・祝! C61 20復活決定。→こちら
・C61 20号機を搬出。→こちら
・C61 20の細部を見る(全8回)。→こちら
・C61 20 先輪振り替えの謎。→こちら
・ふたたびC61 20の先輪について。→こちら
・C61 20号機は今...(全2回)。→こちら
・C61 20 いよいよ動態復活へ。→こちら
・ついにC61 20が火入れ。 動画付き→こちら
・C61 20試運転に臨む。→こちら
・高崎入りしたC61 20。→こちら
・C61 20復活運転スケジュール。→こちら

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▲屋島登山口駅に留め置かれた1号車「義経」。休止からはや6年、まるで時が止まったかのように佇んでいる。P:宮武浩二
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RMライブラリー『全盛期の大阪市電』の著者で、これまでもにも小ブログにさまざまな話題を提供してくださっている宮武浩二さんから、四国の二つのケーブルカーの話題をお送りいただきました。

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▲屋島登山口駅駅前。すでに人影はなく辺りも閑散としている。P:宮武浩二
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▲屋島登山口駅(左)と屋島山上駅(右)。かつての繁栄を物語るような立派な駅舎が目を引く。P:宮武浩二
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先日、墓参のために四国・高松を訪れたついでに、屋島ケーブル(廃止)を再訪するとともに近所の八栗ケーブルも訪ねました。屋島ケーブルは廃止後訪問していなかったので、今回は登山口駅と山上駅に眠る1号と2号を訪ねました。

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▲屋島山上駅に留置された2号車「辨慶」。屋島ケーブルは延長800mほどで265mほどの高低差を登っていた。P:宮武浩二
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まず琴電屋島駅を撮影、そのまま登山口駅まで行きました。駅は廃止当時のままで手入れも何もされていないのですが、パンタグラフの上がった1号はスイッチを入れたら動きそうです。その後、屋島ドライブウェイで山上に移動してケーブルカーの終着屋島山上駅に向いました。ドライブウェイの駐車場から駅までは徒歩20分程度。しかし、当然誰も歩いておらず、途中の旅館は廃屋になっており、少し気味悪く荒んだ観光地を体感しました。さらに屋島山上駅も廃屋で、駅舎の裏手では2号が薄暗い駅に停車していました。

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▲なんとも愛らしいスタイルの八栗ケーブル1号車。近代的に見えるが1964(昭和39)年製、つまりは0系新幹線と同期と意外に年季が入っている。P:宮武浩二
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続いて屋島寺に移動。こちらは参拝客で賑わっていて観光地の雰囲気がしました。このあと屋島の隣にある八栗ケーブルを訪ねました。この八栗ケーブルは巡礼の鉄道ということで、お遍路さんがいっぱいです。屋島はドライブウェイがあるので観光バスもお寺に横着けできますが、八栗は道路がないのでケーブルカーが頼りです。隣り合ったふたつのケーブルカーの生死を分けたのはそういう理由です。

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▲その客室内。全長12m、乗車定員は127名で、日立製作所のレディメード製品であった。P:宮武浩二
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▲時刻表・運賃表(左)とともに手荷物の重量毎に加算料金(右)が決められているのが興味深い。P:宮武浩二
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▲八栗登山口駅は高松琴平電気鉄道志度線の八栗駅にほど近い(左)。全線の延長は660m、高低差は167mあり、所要約4分で運転されている。P:宮武浩二
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▲八栗ケーブルは山上に200馬力の巻き上げ装置を持ついわゆる"つるべ式"。中間地点には離合所が設けられている。P:宮武浩二
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▲ブルーの車体塗色の2号車。新製時にはクリーム色をベースにブルーのラインがさながらパンダの顔のように前照灯を包み込むデザインだったが、これは日立のデザイン研究所の立案によるものだったという。P:宮武浩二
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ここのケーブルカーは愛くるしい表情が楽しそうですが、山上駅に上がると温度も4度ぐらい低く、迫る山の尾根は不気味な感じで人を寄せ付けない雰囲気で、屋島の明るさとは対照的です。ちなみに、愛くるしい顔の下に「やくり」と書かれたところがすべてベンチレーターとなっており、前面の窓も開くので涼しくて冷房は必要ありません。それと車内の番号は正面の真ん中に「1」と黒で書かれていますが、気がつきませんよね。「2」号でわかりました。それと車体の横下のほうに大きな8の数字がみえますが、これは八栗ケーブルの社紋です。この社紋や製造プレートが曲者で、扉の下に付いているのでホームに到着すると見えなくなってしまい、撮影にはたいへん苦労します。

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▲自車のケーブル(左)と他車のケーブル(右)の動きを見るのも楽しい。右は車内に取り付けられた日立の製造銘板。P:宮武浩二
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▲八栗登山口駅は五剣山を背にした観光の拠点(左)。右は八栗山上駅。P:宮武浩二
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それにしてもケーブルカーという乗物は面白くて好きです。ワイヤー1本でぶら下がっているのもユーモラスですね。お送りした画像で左側は自分の乗っているワイヤーで綺麗に撮影できますが、右のワイヤーは下がっているので速いスピードで動いています。

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▲山上駅で発車を待つ1号車。山上駅から四国霊場八十五番札所の八栗寺までは歩いて5分ほど。P:宮武浩二
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宮武さんありがとうございます。「屋島ケーブル」には20年ほど前に一度だけ行ったことがあり、戦後の運行再開時に導入されたという"古典ケーブルカー"が何とも印象的でした。2004(平成16)年に運営会社である屋島登山鉄道が経営破綻して休止、結局翌年に廃止されてしまいました。宮武さんのお便りにあるように、観光地・屋島には立派なドライブウェイが通じており、私が訪れた時も屋島山上駅に賑わいはなく、駅前の土産物屋の犬と戯れて下山した覚えがあります。

※明日は不在のため休載させていただきます。

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▲北恵那鉄道最大の"見せ場"であった木曽川橋梁を渡る上り列車。'75.9.4 P:名取紀之 (『新・消えた轍』第6巻 中部より)
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ご好評いただいております寺田裕一さんによる『新・消えた轍』シリーズの第6回配本分、第6巻中部が完成しました。当初、第6回配本分は第2巻北海道・北東北を予定しており、第5巻上信越でも告知いたしましたが、編集作業半ばで3月11日の東日本大震災が発生したため、発売順序を変更させていただくことといたしました。

wadachi6s.n.jpgこの『新・消えた轍』シリーズは、現在は廃止されたローカル私鉄の現役当時の姿と共に、その廃線跡を寺田裕一さん本人が訪ね歩き記録したものです。旧版の『消えた轍』では昭和30年代以降、昭和52年の尾小屋鉄道廃止までに全線廃止されたローカル私鉄を対象にしておりましたが、今回の新シリーズでは、昭和52年以降の廃止路線や、路線の半分以上が廃止された路線などを新たに収録し、エリア別に再構成しています。

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▲神岡鉄道の廃止はまだ記憶に新しい。しかしこの地には過去にも609㎜ゲージの神岡鉄道が存在しており、同名の鉄道が2度廃止されたことになる。 (『新・消えた轍』第6巻 中部より)
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第6巻中部は静岡、愛知、岐阜、三重の4県の廃止された中小私鉄路線を収録するもので、旧版収録の静岡鉄道駿遠・秋葉線、遠州鉄道奥山線、豊橋鉄道田口線(旧田口鉄道)、東濃鉄道、三井金属鉱業神岡鉄道、三重交通松阪線に加え、今回新たに北恵那鉄道、神岡鉄道の2路線を収録しました。このうち神岡鉄道は609mm軌間の三井金属鉱業神岡鉄道に代わって開業した国鉄神岡線が前身ですから、ほぼ同じ区間で2度の廃止を迎えてしまったことになります。

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▲北恵那鉄道は林業の盛衰とともにその使命を終えていったが、現在でも根強い人気を持つローカル私鉄のひとつである。 (『新・消えた轍』第6巻 中部より)
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また、このエリアは軌間762mm以下の、いわゆる軽便鉄道が多いのが特徴です。総延長64.6kmの長大路線・静岡鉄道駿遠線をはじめ、遠州鉄道奥山線、三井金属鉱業神岡鉄道、三重交通松阪線と、今回収録しただけでも合計100kmを超えています。

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▲戦後最大規模の軽便鉄道であった静岡鉄道駿遠線。その車輌のバラエティーは今でも語り草となっている。 (『新・消えた轍』第6巻 中部より)
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さて、第7回配本分は第1巻北海道で、7月末の発売を予定し、鋭意制作進行中です。どうかご期待ください 

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▲例によって輸送量および収入の推移表、車扱い貨物取り扱い高推移表、施設一覧を収録しており、資料性も抜群。 (『新・消えた轍』第6巻 中部より)
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■第6回配本分の内容
〔6 中部〕
静岡鉄道駿遠線・秋葉線・遠州鉄道奥山線・豊橋鉄道田口線・三重交通松阪線・東濃鉄道・三井金属鉱業神岡鉄道・北恵那鉄道・神岡鉄道
■既刊
〔 3 東北〕
松尾鉱業・花巻電鉄・秋田中央交通・羽後交通・宮城バス仙北鉄道・秋保電気鉄道・仙台鉄道・庄内交通・山形交通・日本硫黄沼尻鉄道・岩手開発鉄道・くりはら田園鉄道
〔4 関東〕
九十九里鉄道/鹿島臨海鉄道/鹿島鉄道/茨城交通茨城線/日立電鉄/筑波鉄道/上武鉄道/山梨交通電車線/小名浜臨港鉄道・江名鉄道
〔5 上信越〕
草軽電気鉄道・上田丸子電鉄丸子線/真田傍陽線/西丸子線・長野電鉄河東線(信州中野-木島間)・頸城鉄道自動車・越後交通栃尾線/長岡線・新潟交通・蒲原鉄道
〔7 北陸〕
福井鉄道鯖浦線/南越線・京福電気鉄道永平寺線/丸岡線・北陸鉄道加越線/小松線/金名線/能美線/金石線/能登線・尾小屋鉄道・のと鉄道能登線/七尾線(穴水~輪島間)・加越能鉄道加越線・富山地方鉄道笹津線/射水線
〔8 近畿〕
江若鉄道・北丹鉄道・淡路交通・別府鉄道・三木鉄道・能勢電鉄川西能勢口~川西国鉄前・加悦鉄道・野上電気鉄道・有田鉄道・和歌山県営鉄道(南海電気鉄道和歌山港線)和歌山港~水軒間
〔9 中国〕
玉野市営電気鉄道・両備バス西大寺鉄道・井笠鉄道・日ノ丸自動車法勝寺鉄道・一畑電気鉄道広瀬線/立久恵線・尾道鉄道・防石鉄道・船木鉄道・長門鉄道・下津井電鉄・岡山臨港鉄道・同和鉱業片上鉄道
〔10 九州・四国〕
大分交通/荒尾市営電気鉄道/鹿児島交通/島原鉄道/宮崎交通/熊延鉄道/山鹿温泉鉄道/熊本電気鉄道/高千穂鉄道/日本鉱業佐賀関鉄道/伊予鉄道森松線/土佐電気鉄道安芸線/琴平参宮電鉄

■続巻の内容 (内容は変更になる場合があります)
〔1 北海道〕 (7月末発売予定)
根室拓殖鉄道・釧路臨港鉄道・雄別鉄道・尺別鉄道・十勝鉄道・北海道拓殖鉄道・夕張鉄道・三菱美唄鉄道・三井芦別鉄道・ちほく高原鉄道・三菱石炭鉱業大夕張鉄道
〔2 北海道・北東北〕
寿都鉄道・定山渓鉄道・旭川電気軌道・羽幌炭砿鉄道・天塩炭砿鉄道・留萌鉄道・南部鉄道・南部縦貫鉄道・下北交通・弘南鉄道黒石線・小坂製錬小坂鉄道

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