鉄道ホビダス

2011年4月アーカイブ

明知鉄道は今...。(下)

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▲明知鉄道は全線が勾配また勾配の山岳路線。起点の恵那から二つ目の飯沼は33‰上にある駅として知られる。'11.4.16 阿木-飯沼
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ながらくタブレット閉塞(岩村~明智間)を用いていた明知鉄道も、2004(平成16)年3月から特殊自動閉塞化され、これにともなって腕木式信号機も色灯式へと変わって、C12の昔から親しまれてきた腕木のある風景は過去のものとなってしまうはずでした。

R0014774n.jpgところが、交換駅である岩村駅構内に残された腕木式信号機はその後も撤去されることなく残り、ついに2006(平成18)年には歴史を物語る産業遺産として"動態保存"されることとなったのです。実際の出発信号機との誤認を避けるためもあってか、その後1基は90度回転した状態、つまり枕木方向ではなくレール方向に平行に建柱されていますが、この腕木はなんと体験操作が可能で、駅員さんに申し出て案内してもらうことで実体験をすることができます。
▲昭和時代の国鉄ローカル線の交換駅の風情をしっかりととどめるのが岩村。駅から岩村城址へと続く岩村本通りの町並みは文化庁から重要伝統的建造物群保存地区に指定されている。'11.4.15 岩村
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▲岩村には2004(平成16)年に特殊自動閉塞化される前まで使われていた腕木式信号機が"動態保存"されており、操作体験することも可能。保存されている腕木式信号機は2基あり、写真左は"静態"のもの。右は信号テコで、床の突起状のものがロック解除ペダル。'11.4.15 岩村
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私も操作をさせてもらいましたが、かなり重いのではと思っていた信号テコは意外なほど軽く、ロック解除のペダルを踏みながらテコを倒すと、ワイヤーと滑車を介してあのガタンという特有の音とともに腕木が下がり進行を現示します。かつては全国で見られた光景ですが、今となってはこうやって"動態"にある腕木式信号機を目の当りにし、しかも自分で体験できるのはここ明知鉄道ならではです。

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▲山岡の側線にはアケチ1形が保存されている。第三セクターとして開業した際に用意された車輌で、僚車であるアケチ2も阿木駅構内に残されているが、この山岡のアケチ1の方が状態が良い。'11.4.16 山岡
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今回の「食堂車」の運行をはじめ、次々と新たな施策を打ち出してその存在感をアピールする明知鉄道ですが、今井専務のお話ではここにも東日本大震災の影響は少なからず出つつあるそうです。沿線でのイベントの自粛をはじめ、やはり出控えの風潮は中京圏といえども例外ではなく、こういったローカル鉄道を応援するためにも、この連休はぜひ積極的に足を運んでみられてはいかがでしょうか。

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▲阿木から岩村にかけての沿線は「農村景観日本一」の称号を受けた"原風景"が広がる。阿木駅も交換機能は失われてしまったものの、貨物側線をはじめまるでレイアウトでも見ているような光景が展開する。'11.4.16 阿木
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さて、来週金曜日(5月6日)のNHKラジオ金曜旅倶楽部ではこの明知鉄道を紹介いたします。震災の影響でしばらくお休みでしたが、再開第一回となり、また、今年度から時間枠が拡大し、ニュースや交通情報をはさんで15時台ほぼいっぱいの生放送となります。なお、前半では東日本大震災で罹災した「ひたちなか海浜鉄道」の状況についても現地から報告していただきます。
5月6日(金曜日)15時~16時 NHKラジオ第一
http://www.nhk.or.jp/tsunagaru/tabikurabu/tabinideyouyo/index.html

※全国どこでもお聴きになれます。

小ブログは連休中は休載させていただきます。

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明知鉄道は今...。(上)

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▲明智駅で発車を待つ7010D急行「大正ロマン2号」。2輌編成のうち恵那方が食堂車、明智方が一般車となっている。'11.4.16 明智
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中央西線の恵那と岐阜県東南部の明智を結ぶ明知鉄道は、わずか25.1㎞ながら木曽川水系、庄内川水系、矢作川水系に囲まれたたいへんな山岳路線で、前身の国鉄明知線時代には中津川機関区のC12が渾身の力を振り絞ってこの山間をよじ登っていました。

R0014980n.jpgこの明知鉄道に3月12日のダイヤ改正からなんと「食堂車」が登場したと聞いて、さっそく現地に足を向けてみました。ご案内いただいたのはほかならぬこの「食堂車」の生みの親でもある今井祥一朗専務です。食堂車が連結されるのは恵那12時45分発の7009D「大正ロマン1号」。市販の時刻表にはJR版にはフォークとナイフのマーク、JTB版には戦時中に消滅したという和食食堂車のマークが明示されており、第三セクター鉄道の中でもひときわ異彩を放っています。
▲急行「大正ロマン号」のサボ。「食堂車」の表示が...。'11.4.16
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▲恵那駅の7009D急行「大正ロマン1号」。「大正ロマン」は明智の日本大正村にちなみ、今年がちょうど"大正100年"にあたることから名付けられた。'11.4.16
クリックするとポップアップします。後方を通過しているのはJR東海 の特急「ワイドビューしなの」'11.4.16 恵那

明知鉄道では1987(昭和62)年から「グルメ列車」と銘打って地元の食材に拘わった料理列車を運行してきましたが、専用列車の場合は一般のお客さんが乗車できないのが悩みの種だったのだそうです。明知鉄道の運転所要時間は1時間弱。途中の岩村駅で上下列車が交換するかたちで、お昼の時間帯に「グルメ列車」のスジを入れると一般営業列車が2時間ちかく空くこととなってしまいます。そこで今井専務が考えたのが一般車輌と併結して「食堂車」扱いとする妙案。JR時代の上司でもあった須田 寛JR東海相談役の尽力もあって、2輌編成の1輌が「食堂車」、もう1輌が一般車という三セク初の食堂車が誕生したのです。

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▲「食堂車」の車内。テーブルのスペースを確保し、配膳・サービスの便を図るためにあえてロングシート車輌を使用している。'11.4.16
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しかも、「急行列車」として注目度を高めようと発案したのも今井専務でした。JR東海飯田支店運輸課長時代、「真っ黒な時刻表欄に赤い字の列車を加えたい」と積極的な施策を打ち出し、あの急行「伊那路」を誕生させた経験が背景にあったと聞きます。しかも急行料金を収受しなければ運輸局の許可も関係なく、かくして「食堂車」付きの「急行列車」が食堂マーク付きの赤字で時刻表上に燦然と輝くことになったのです。

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▲山岡が全国生産量の90%以上を占めるという名産の寒天を使ったフルコース。こちらは5000円。'11.4.16
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ただ、通常イメージする食堂車とは異なり、事前予約は必要です。通年の「寒天料理」、春の「山菜料理」や夏の「あゆ料理」、秋の「きのこ料理」、冬の「じねんじょ料理」など、季節それぞれの味が地元の皆さんのサポートで提供されます。料金は4000円もしくは5000円ですが、明知鉄道全線往復の運賃が1340円ですから、豪華なコース内容からしてリーズナブルな設定と言えるでしょう。

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▲交換駅岩村。国鉄時代からほとんど変わっていない原風景ともいえる構内が迎えてくれる。'11.4.16 岩村
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ダイヤ改正から一カ月、「食堂車」のみならず併結している一般車輌の乗車も好調とのことで、この時間帯の利用者が少なからず潜在していたことを示しています。ちなみに「急行列車」ですが、「食堂車」を連結した7009Dは振動で器から汁がこぼれたり、配膳・接客サービスの面を配慮して定期列車よりも所要時間が4分長く53分に設定されています。

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■JR東日本運転再開状況
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▲4月27日現在のJR東日本管内の運転再開状況および運転再開予定。東北新幹線は29日に全線で運転を再開予定。 JR東日本提供
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弊社 ネコ・パブリッシングはこの連休を利用して新社屋へと移転をいたします。同じ目黒区内で、現在地よりも多少都心に近付き、山手線目黒駅から徒歩15分ほどの山手通り(環状6号線)沿いとなります。
5月2日までは現社屋、5月6日からは新社屋での業務開始となりますので、お間違えのないようよろしくお願い申し上げます。

(新住所)
〒153-8545 東京都目黒区下目黒2-23-18 目黒山手通ビル
電話03-5745-7813(RM編集部直通)
JR電話058−4230

※5月6日より上記にて業務開始となります。

なお、引越しに伴ない、弊社サーバーも新社屋へ移動するため、5月2日19時より翌3日18時頃までは、「今日の一枚2011」をはじめとする各コンテンツへの投稿ができなくなります。何卒ご了承ください(閲覧は可能です)。

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■JR東日本運転再開状況
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▲4月26日現在のJR東日本管内の運転再開状況および運転再開予定。東北新幹線は29日に全線で運転を再開予定。 JR東日本提供
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高崎入りしたC61 20。

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▲満開の桜。10パーミルの登坂を軽い足取りで復活C61 20が行く。'11.4.21 上越線 沼田―後閑 P:木村一博(今日の一枚より)
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去る3月5日に鉄道博物館の車両展示線にて有火状態で一般公開されたC61 20号機ですが、営業運転開始への期待が高まる中、所属する高崎車両センター高崎支所構内にて本日報道公開されました。

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▲38年ぶりに復活したC61 20を公式側より見る。分配弁にこれまでなかった大きなカバーが掛けられているのがわかる。'11.4.25 高崎車両センター高崎支所 P:RM(小野雄一郎)
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一般公開の6日後には東日本大震災が日本列島を襲い、各地で今なお困難な状況が続いていますが、この報道公開は、東北地方の戦後復興を支えたC61 20号機の復活の汽笛が東北地方へのエールにできればという「思い」を込めて開催されました。

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▲C61 20を正面より見る。補助灯LP405も点灯しているのに注意。主灯が切れた際、交流電化区間での交換のリスクを回避するために設けられた補助灯(予備前灯)だが、切り替えスイッチではなくフェールセーフで別回路が設けられており、このように両方とも点灯することも可能。'11.4.25 高崎車両センター高崎支所 P:RM(小野雄一郎)

ここで、改めて同機の復活までの道のりを簡単に振り返ってみることにいたしましょう。
 2010年 1月19日 群馬県伊勢崎市華蔵寺公園遊園地より搬出
  以後、大宮総合車両センターを中心に分解・修復作業開始
 2010年12月10日 大宮総合車両センターにてボイラー載せ
 2011年 1月27日 大宮総合車両センターにて「火入れ式」開催
 2011年 3月5日 鉄道博物館にて有火状態で一般公開

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▲C61 20号機のキャブ内(左)。インゼクタや水面計は新式のものに交換されているのがわかる。C61形の特徴の一つでもあった自動給炭機(ストーカー)が撤去されたキャブ下部。'11.4.25 高崎車両センター高崎支所 P:RM(小野雄一郎)
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さて、修復され自走可能となったC61 20が営業運転を開始するのはいつかが気になるところですが、JR東日本高崎支社によると、具体的な日付けはアナウンスしていないものの、7月よりスタートする群馬デスティネーションキャンペーンに合わせて営業運転を開始したいとしており、上州路で同機のブラスト音を堪能することができるのもいよいよ間近だといえそうです(なお、詳細な運行区間や時間等はJR東日本高崎支社のWebサイトで5月下旬ごろに発表となる予定です)。

取材協力:東日本旅客鉄道株式会社高崎支社

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▲ついにC61 20が本線上に姿を現した。'11.4.21 上越線 津久田―岩本 P:木村一博(今日の一枚より)

※「今日の一枚 The Movie」で水上の転車台で方転するC61 20号機の動画がご覧になれます。こちら

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■JR東日本運転再開状況
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▲4月25日現在のJR東日本管内の運転再開状況および運転再開予定。東北本線は21日に全線で運転を再開。 JR東日本提供
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上信電鉄デキ復活。

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▲秋の上州路を駆けるデキ重連。あの重厚なモーター音が4年ぶりに還ってくる。'04.12.7
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2007(平成19)年3月より運行を休止していた上信電鉄の電気機関車"デキ"が待望の復活を遂げることとなりました。来週4月29日(金・祝)に出発式を開催し、運行再開記念列車が高崎~下仁田間を1往復します。さらに5月3日(火・祝)には「銀河鉄道999ファンタジー号」とのコラボ運行として同区間を1往復する予定です。
いずれもデキ重連+電車の編成。
※特別臨時電車〈銀河鉄道999ファンタジー号〉については→こちら

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▲高崎のヤードで発車を待つ本誌259号巻頭特集撮影用の特別列車。先頭からデキ1+デキ3+ホキ+テム。'04.12.7
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0421dekiTT.jpg出発式および運行再開記念列車
■期日:2011(平成23)年4月29日(金・祝)
■募集人員:先着50名
■集合場所:上信電鉄 本社前 9:00受付開始
■参加料金:大人1,000円/小人500円
■行程:高崎 9:55発→下仁田11:25着
    下仁田12:43発→高崎14:43着
■申込方法:下記まで電話にて申込み。

銀河鉄道999ファンタジー号とのコラボ運行
■期日:2011(平成23)年5月3日(火・祝)
■行程:高崎 8:23発→下仁田10:06着
    下仁田12:43発→高崎14:43着
 ※各駅より自由乗車可能(乗車区間の普通運賃が必要)。
 ※乗車人数等の都合により乗車出来ない場合がある。

▲5月3日のコラボ運行時の運転時刻表。
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申込み・問合せ先
 上信電鉄株式会社 鉄道部
 TEL:027-323-8073

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▲南蛇井で機回しするデキ重連。デキは基本的に重連での運転となる。'04.12.7
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dekicab.jpg上信電鉄のデキは1924(大正13)年8月シーメンスシュッケルト(ドイツ)製。御年87歳の超古典電気機関車です。同社線の電化にあわせて3輌(製番1950~1952)が輸入され、現在でもデキ1・3の2輌が"現役"として在籍しています(デキ2は富岡市の公園で静態保存中)。貨物営業終了後も工臨列車牽引や、時としてはファンの要望に応えてのチャーター運転などに活躍(→こちら)しておりましたが、先述のように4年ほど前から休車状態となってしまっていました。

▲80年以上の歴史を刻むデキのマスコンハンドル。'04.12.7
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その後も生きた鉄道遺産として延命・復活を望む声は多く、今回、群馬県ならびに沿線市町村の支援を受けての復活となったものです。この連休はひさしぶりに、もしくは初めてのデキに会いに出かけてみられてはいかがでしょうか。なお、今回の売上金の一部は東日本大震災の義援金として寄付されるとのことです。
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▲本誌259号の巻頭特集は広田尚敬さんが撮影。特別な許可のもと、キャブに添乗して撮影に臨む広田さん。なお、この号の付録動画DVDは現在でも上信電鉄で販売されており、今回のイベントでも購入可能。お出でになった際にはぜひお求めを...。'04.12.7
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※明日は不在のため小ブログは休載させていただきます。

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■JR東日本運転再開状況
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▲4月22日現在のJR東日本管内の運転再開状況および運転再開予定。21日に東北本線が全線で運転を再開。 JR東日本提供
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▲神奈川臨海鉄道水江町駅にあった日立セメントKKの着発基地に停車中のホキ3100形式とタキ7300形式。1971.8 P:渡辺一策 RMライブラリー『有蓋ホッパ車のすべて』下巻より
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ご好評いただいております吉岡心平さんによるRM LIBRARY『有蓋ホッパ車のすべて』、待望の下巻が完成しました。

RML141_H1sn.jpg日本の国鉄・JRに在籍した「ホッパ車」75形式6627輌のうち、有蓋ホッパ車を上下巻に分けてご紹介する本書、上巻では自重落下式の23種類についてご紹介しましたが、下巻ではエアスライド式のホッパ車15種と、複数積荷兼用ホッパ車2種を収録しています。
エアスライド式ホッパ車が持つエアスライド装置とは、荷室の底面から空気などを噴出させることで、積荷の粉体をスムーズに流動化させる装置のことで、ホッパ車やセメント用などの粉体タンク車の多くで採用されています。日本のホッパ車では1954年に誕生したホキ1初代形式(後のホキ3500形)から採用されました。

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▲一見タンク車のように見える左ページの車輌は、国鉄が青函トンネル工事に伴うセメント輸送用として試作したホキ1900二代形式。五稜郭工場で3輌が石炭車から改造されたが、走行性能は劣悪だったそうだ。右ページは日本初の有蓋ホッパ車であるホキ1初代(→ホキ3500)形式。当初は東京都水道局所有で、小河内ダム建設に伴うセメント輸送に使用された。 RMライブラリー『有蓋ホッパ車のすべて』下巻より
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一方、複数積荷兼用ホッパ車とは、通常、帰路は空車にならざるを得ない私有貨車の宿命的な欠点を解消するため、2種の積荷に対応可能とすることで、行き帰りとも積車にすることを実現するものです。国鉄時代にセメント及び石炭専用車としてホキ7600形式が試作されたものの、実用化には至りませんでした。しかしその後、炭酸カルシウムおよびフライアッシュ専用車として小野田セメント㏍(現・太平洋セメント㏍)所有のホキ1000JRF形式が誕生しました。これが現在唯一稼働中の有蓋ホッパ車となっています。

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▲日本最大のセメントホッパ車であるホキ5500形式。晩年は七尾~羽咋間という七尾線内のみの運用であったという。 RMライブラリー『有蓋ホッパ車のすべて』下巻より
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■『有蓋ホッパ車のすべて』(下)収録形式
エアスライド式ホッパ車
 ホキ3000(旧4050)形式
 ホキ4900(旧4300)形式
 ホキ5000形式
 ホキ5100形式
 ホキ5800形式
 ホキ1900二代形式
 ホキ3500(旧1初代形式)
 ホキ4100初代形式
 ホキ3100(4100二代)形式
 ホキ5500形式
 ホキ5700形式
 ホキ6100形式
 ホキ6300形式
 ホキ7300形式
 ホキ7500形式
複数積荷兼用ホッパ車
 ホキ7600形式
 ホキ1000JRF形式

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▲私有ホッパ車の代表的な形式とも言えるホキ5700形式。1965年から1973年に626輌が製造された。 RMライブラリー『有蓋ホッパ車のすべて』下巻より
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この上下巻で国鉄/JRに在籍した有蓋ホッパ車全形式が紹介されたわけですが、巻末の「終わりに」で吉岡さんは、残る無蓋ホッパ車については、共通性が高い石炭車とともに機会を見て...と仰られておられますので、どうかご期待ください。

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■JR東日本運転再開状況
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▲4月20日現在のJR東日本管内の運転再開状況および運転再開予定。 JR東日本提供
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▲東北新幹線の地上設備の主な被害と復旧状況(4月17日現在)。 JR東日本提供
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東日本大震災から明日で40日が経とうとしております。あいかわらず不気味な余震が続いており、被災地の鉄道の復旧にもおおきな足かせとなっていますが、それでも着実に、力強く不通区間の運転再開に向けた作業が続けられております。本日、JR東日本より東北新幹線および在来線の最新復旧状況が発表されました。

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▲在来線の地上設備の主な被害と復旧状況(4月17日現在)。 JR東日本提供
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4月7日以降の余震による被害がまさに追い打ちをかける事態となった各線の被害ですが、一週間前の4月10日発表分(→こちら)の状況に対して、東北新幹線、在来線ともに復旧率は85%にまで向上しております。ただし、これには津波を受けた7線区の被害は含まれておりません。

aomoridc01.jpg東北新幹線全線開業を受けてJRグループでは「青森デスティネーションキャンペーン(DC)」を予定していましたが、今回の震災で肝心の東北新幹線が部分不通となってしまい、その実施も懸念されていました。しかし、今週土曜日、4月23日から「がんばろう日本!がんばろう東北!」をキャッチフレーズに、東日本大震災からの復興を願い、7月22日(金曜日)までの期間で開催されることが決定いたしました。この青森DCは青森県全域および秋田県五市町(大館市、能代市、八峰町、小坂町、藤里町)を開催地域とし、「行くたび、あたらしい。青森」をメインテーマに、地元自治体や関係事業者等と連携して大規模に繰り広げられるものです。キャンペーン初日の4月23日には弘前城築城400年の「弘前さくらまつり」も開催され、現在運休中の「リゾートしらかみ」の運転も再開されます。

青森DCホームページ→  http://www.aomoridc.com/

▲「青森デスティネーションキャンペーン」の告知ポスターイメージ。 JR東日本提供
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なお、余震被害によって一時は全線開通が5月初旬になると見込まれていた東北新幹線は、その懸命な復旧作業の甲斐あって、本日現在、一ノ関~盛岡間が4月23日、福島~仙台間が4月25日、そして最後の仙台~一ノ関間が4月30日頃に運転再開の予定と発表されており、約50日ぶりに再び東京と青森が新幹線によって結ばれることになります。

■JR東日本運転再開状況
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▲4月19日現在のJR東日本管内の運転再開状況および運転再開予定。 JR東日本提供
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1104180000.jpg 3月14日正午にサービスインを予定していたNTTプライム・スクウェア株式会社の新しいクラウド型コンテンツ配信サービス「Fan+(ファンプラス)」(アーカイブ「いよいよ始まる"Fan+(ファンプラス)"」参照)は、東日本大震災により通信回線や電力などの社会リソースを被災された方々への救済に向けて最優先に利用すべきとの配慮からオープンが延期されておりましたが、4月14日、ついにサービスインいたしました。Fan+(ファンプラス)とは、"「大好き」が、ここにある。"をコンセプトに、「ヒト、モノ、コト、ココロ」にこだわって新しい楽しみを提案。さまざまなジャンルのファン向けに、コンテンツとコミュニティーを提供する全く新しいエンターテイメントサービスで、弊社も企画段階からお手伝いをしているものです。
▲『Rail Magazine EX 001』の表紙。
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▲『Rail Magazine EX 001』の記事中、再生マークのアイコンが付いている画像は、クリックすると動画が再生される(左)。右は動画を再生した状態。動画はフルスクリーンでも再生することができる。
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▲一部ページには、画像のスライドアイコンが表示され、このアイコンが表示されている画像は、スライドすることにより別画像が表示される。
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映像・写真・テキスト・音声・音楽等を自在に組み合わせたリッチなコンテンツを、パソコン、スマートフォン、ケータイなどのマルチデバイスで楽しむことができるこのFan+(ファンプラス)は、幕末、落語、妖怪、ゴルフ、テニス、ボクシング、演劇、アニメ...そして鉄道と、ありとあらゆるジャンルを網羅して、まさに趣味のおもちゃ箱といったところでしょうか。利用するには、まず無料会員登録をします。ファンプラス会員になると、1人に1つずつコレクションスペースMyBoxがもらえます。このMyBoxは容量無制限ですので、ファンプラスモールでお気に入りのショップとコンテンツを見つけて、商品の購入とコレクションを増やすことができます。また、マルチデバイス対応ですので、お気に入りコンテンツをスマートフォンやケータイにダウンロードして持ち歩くことができます。

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▲こちらは『Rail Magazine』331号の電子書籍版。PCでの閲覧は見開きでの表示となる。(※このため、一部白ページが表示される。)
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▲ページをダブルクリックすると、そのページが拡大表示される。
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▲目次を表示することができる(左)。閲覧したいページの目次をクリックすると、そのページにジャンプすることができる。
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※各画像の説明は、PCで閲覧した状態でのものです。

1104180010.jpgこの Fan+(ファンプラス)には、NTTプライム・スクウェアのオフィシャル・ショップとして「鉄道ホビダスEX」(弊社が企画協力)があります。この「鉄道ホビダスEX」では、オリジナルコンテンツ『Rail Magazine EX』や動画コンテンツのほか、『Rail Magazine』、『RM MODELS』の電子書籍版のコンテンツなどを配信しています。今後は、さらに内容の充実を図ってまいりますので、ぜひともファンプラス会員になっていただき、アクセスしてみてください。
▲「鉄道ホビダスEX」のショップページ。
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Fan+(ファンプラス)
http://fanplus.jp/

鉄道ホビダスEX ショップページ
http://fanplus.jp/_railhobidas_/

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■JR東日本運転再開状況
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▲4月18日現在のJR東日本管内の運転再開状況および運転再開予定。 JR東日本提供
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▲ホキ6800形式を連ねて驀進する、筑豊名物セメントクリンカー列車。D60共々、このクリンカホキも過去の存在となった。1971.8 中間-折尾 P:西端慎一 (RMライブラリー『有蓋ホッパ車のすべて(上)』より)
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発売から半月以上が経ってしまいましたが、現在発売中のRM LIBRARY最新刊は、ご好評いただいている貨車シリーズの新刊、『有蓋ホッパ車のすべて(上)』です。執筆はおなじみの吉岡心平さんです。

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▲側開き式有蓋ホッパ車の解説と、ホキ650形式の紹介。各方式はCGによる3D図を用いて解説している。 (RMライブラリー『有蓋ホッパ車のすべて(上)』より)
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日本で「ホッパ」を持った貨車の元祖は「石炭車」ですが、タンク車や石炭車とは別に「ホッパ車」という車種が制定されたのは1953(昭和28)年と意外に新しく、以降、75形式6627輌が在籍してきました。本書はこのうちの有蓋ホッパ車を上下巻に分けてご紹介するものです。

RML140H1sn.jpg発売中の上巻では自重落下式の23種類について、ボギー石炭車から発展した「側開き式有蓋ホッパ車」(ホキ650形式など6種)、その名の通り車体の底から積荷を排出する「底開き式有蓋ホッパ車」(ホラ1形式など7種)、クリーム色4号の穀類や麦芽専用車でおなじみの「円筒型有蓋ホッパ車」(ホキ2200形式など6種)、ホッパのないホッパ車という禅問答のような「箱型有蓋ホッパ車」(ホキ6500形式など4種)に分けてご紹介します。

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▲箱型有蓋ホッパ車のホキ6500形式とホキ6000形式。私有貨車発達以前に、カーバイドの容器を長物車に搭載して輸送していたときの構造をそのまま踏襲したもので、ホッパ車の所以であるはずの漏斗構造、すなわちホッパがないという、奇妙なグループであった。 (RMライブラリー『有蓋ホッパ車のすべて(上)』より)
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■有蓋ホッパ車のすべて(上)収録形式
・側開き式有蓋ホッパ車
ホキ650形式/ホキ4700(旧4400)形式/ホキ8800形式/ホキ2800形式/ホキ6800形式/ホキ34200形式
・底開き式有蓋ホッパ車(ホキ3500形式は下巻でも掲載)
ホラ1形式/ホラ100形式/ホラ100形式500番代/ホキ3500(旧1初代)形式/ホキ5400形式/ホキ6700形式/ホキ7000形式
・円筒型有蓋ホッパ車
ホキ6600形式/ホキ6900形式/ホキ2200形式/ホキ8300形式/ホキ9300形式/ホキ9800形式
・箱型有蓋ホッパ車
ホキ6500(旧190・1900)形式/ホキ6000(旧250)形式/ホキ5600(旧5200初代)形式/ホキ5900形式

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▲巻頭では日本のホッパ車の一覧を掲載。なお、今回収録しない無蓋ホッパ車については、吉岡さんは「石炭車とともに次の機会に」とのことなので、乞うご期待。 (RMライブラリー『有蓋ホッパ車のすべて(上)』より)
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なお、間もなく発売の下巻では、日本の有蓋ホッパ車の嚆矢であるホキ3500形から、現在唯一の現役有蓋ホッパ車であるホキ1000(JRF)形式まで、エアスライド装置を持つ有蓋ホッパ車をご紹介します。積荷によって形式ごとに個性豊かな姿が特徴の有蓋ホッパ車の世界、貨車ファンはもちろん、模型ファンも必携の書と言えるでしょう。

※15日は不在のため小ブログは休載させていただきます。

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■JR東日本運転再開状況
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▲4月16日現在のJR東日本管内の運転再開状況および運転再開予定。 JR東日本提供
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▲梅田方6354を先頭にした「京とれいん」。側面に描かれた扇子はそれぞれデザインが異なり、1・2号車は金、3・4号車は金と銀、5・6号車は銀となっている。P:髙間恒雄
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昨年2月28日に伝統の京都線特急から引退した阪急6300系は、その後、一部がリニューアルのうえ、4輌3編成が嵐山線で再起しましたが、さらに6輌1編成がさきごろ和風観光列車「京とれいん」に改造され、3月19日から営業運転入りしました。震災の影響でご紹介が遅れてしまいましたが、今日はこの生まれ変わった6300系をご紹介いたしましょう。

kyoutrain112.jpgその名も「京とれいん」と名付けられたこの列車は、「和」と「モダン」をコンセプトに京町屋をイメージした改造を施されています。編成は梅田方から6354+6804+6904+6814+6914+6454の6輌。外観は従来の6300系の懐かしい雰囲気を残しながら、金と銀の扇子が大胆にあしらわれ、筆書きの「京とれいん」のロゴが添えられています。
▲正面運転席窓下に入れられた「京とれいん」のロゴ。P:髙間恒雄
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▲側面の扇子とロゴ。ロゴの下には号車番号も入れられている。P:髙間恒雄
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そしてなんといっても注目なのが、これがあの6300系?と目を疑うほどに改造を施された室内です。ことに3・4輌目の車内は、京町屋をイメージした和風のデザインで一新され、半個室席は畳地の背もたれに和紙をあしらった仕切、窓際のテーブルなど、しっとりした空間となっています。

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▲京町屋の玄関を思わせる格子状の仕切りの3・4号車のエントランスホール。P:髙間恒雄
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▲畳地に座布団を置いたような3・4号車の座席。2+1のシートは和紙をあしらった仕切りによって半個室風となる。P:髙間恒雄
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前後の各2輌ずつは従来同様の2人掛け座席が左右に並んでいるものの、カラーリングは一新され、1・2号車(梅田方)の座席は赤紅色の蘭の花をちりばめた柄に、5・6号車(河原町方)の座席は千歳緑色の麻の葉をイメージした柄となっています。もちろん壁面も従来の色柄とは異なり、窓部は波をイメージした柄となり、濃い茶色の扉は竹模様、床は京町屋の土間をイメージしたものとされました。なお、全車とも蛍光灯は昼光色に交換され、3・4号車にいたっては半間接照明に改造されています。

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▲1・2号車の座席(左)と、5・6号車の座席(右)。壁面も阪急伝統の木目模様からイメージが一新されているのに注意。P:髙間恒雄
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▲貸切列車での使用を考慮して座席番号表示が設けられているのも注目(左)。右は改造を行ったアルナ車両の銘板。P:髙間恒雄
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この「京とれいん」は梅田~嵐山の快速特急(5月8日までの土・日・祝日、梅田発9:51→嵐山着10:42、嵐山発16:38→梅田着17:27)に充当されており、5月14日のダイヤ改正以降は土・日・祝日に梅田~河原町間の快速特急4往復に使用される予定です。なお、平日には貸切列車としての利用も可能とのことです。

協力:阪急電鉄

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▲快速特急・嵐山の表示も誇らしく京都本線を快走する「京とれいん」。'11.3.20 摂津市―南茨木 P:平尾彰啓 (「今日の一枚」より)
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■JR東日本運転再開状況
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▲4月12日現在のJR東日本管内の運転再開状況および運転再開予定。 JR東日本提供
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震災から一か月...。

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▲東北新幹線の地上設備の主な被害状況。(4月10日現在) JR東日本提供
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東日本大震災から一か月、被災地ではまだまだ困難な状況が続いていますが、JR東日本から発表される運転再開情報は、生命線ともいえる鉄路が日々着実に復旧しつつあることを伝えてくれています。ただそんな最中、今日も福島県の浜通り、中通りと茨城県南部で震度6弱の揺れを観測する大きな余震があり、復旧作業への影響が懸念されます。東北新幹線も去る4月7日に発生した余震の影響により、当初予定されていた4月中の全線運転再開が5月初めへと変更されています。

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▲東北新幹線の運転再開予定。(4月12日現在) JR東日本提供

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▲在来線の地上設備の主な被害状況。(4月10日現在) JR東日本提供
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本日、JR東日本から発表された東北新幹線と在来線の被害状況によれば、4月7日の余震による被害もたいへん大きなもので、東北新幹線では3月11日の本震での被害約1200か所に対して4月7日の余震による被害約550か所、在来線では本震被害約4400か所(津波による7線区の被害は含まず)に対して余震約800か所と、想像をはるかに超えるものとなっています。ことに在来線では余震直前に復旧未了が約420か所まで減っていたにも関わらず、再び約1220か所が要復旧となってしまうなど、相次ぐ余震が大きな足かせとなってしまっていることがわかります。

■JR東日本運転再開状況
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▲4月10日現在の東北地方の運転再開状況および運転再開予定。 JR東日本提供
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JR貨物からも本日朝現在の輸送状況が発表されています。現在でも北沼駅(八戸臨海鉄道)、石巻港駅、仙台港駅(仙台臨海鉄道)、仙台西港駅(仙台臨海鉄道)、小名浜駅(福島臨海鉄道)、奥野谷浜駅(鹿島臨海鉄道)の6駅が復旧しておらず、東北本線宇都宮(タ)~盛岡(タ)間はトラック代行、常磐線日立~岩沼間は福島第一原発事故の影響で復旧の見通しがたっていません。

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▲東日本大震災の影響による貨物輸送の可能な区間。(4月11日9:00現在) JR貨物発表資料より
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なお、3月29日付けでお伝えしたJR西日本の車輌保守部品の不足にともなう列車運転計画の変更ですが、4月2日(土曜日)より、一部の特急列車の編成輌数短縮や、データイムを中心とした運転本数の削減を開始していましたが、差し当たっての部品調達に目途がついたことから、4月8日(金曜日)の始発から通常のダイヤ・編成に復しているそうです。

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▲Красково(クラスコボ)駅ホーム。凍てついた照明や看板からは氷柱が下がっている。'11.1.6 P:渡辺康正
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ところで、環状線ツアーの3日前、1月6日にはカザン駅から蒸機列車に乗ってモスクワの南東100km強にある町コロムナを訪れるツアーも開催された。Л形機関車が製造されたコロメンスキー工場もこの方面のはずだが、ツアー自体は古い町の観光が目的で鉄道色は薄そうだ。

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▲モスクワ郊外図。1月6日のツアーでは、カザン駅を発車した列車はクラスコボ、クラトボを経てコロムナまでの間100km余りを往復する。(筆者作成)
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110306n056.jpgこの列車は沿線で狙ってみることにしたが、カザン駅発8時50分頃、戻りは19時20分頃なので下りの一発勝負。グーグルマップと航空写真を駆使してモスクワから30kmほど、町並みが途切れるКрасково(クラスコボ)まで行ってみた。蛇行する川を手前に築堤を行く列車をサイドから、と思ったものの、現地は電化された電車線と列車線の複々線で電柱が林立し、しかも蒸機列車ははじめ考えていた側からは一番奥を走ってくる。仕方がないので駅の端の線路際から正面がちに撮る。この日の牽引機は前回と同じЛ2344。毛糸の帽子をかぶった機関士さんが顔を出して運転しているが、朝の気温は-7℃。走行冷却も考えるとかなりきつい乗務に違いない。
▲クラスコボに到着するЛ2344牽引の982列車。'11.1.6 P:渡辺康正
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▲ツアーの着発駅となったカザン駅。見事な駅舎が聳える。'11.1.6 P:渡辺康正
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▲ クラスコボ駅でしばしレギュラートレインを撮影。下り長距離列車(左)と下り急行電車(右)。'11.1.6 P:渡辺康正
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これで私自身が経験した保存蒸機は2輌となったが、インターネットでいろいろ見ていると、2~3年前にはモスクワ近くで10輌近い保存蒸機が記録されている。今後は5月2日にモスクワ環状線のツアーが、4月30日にはコロムナ行きのツアーが企画されているし、このほかにも博物館のエクスカーションをはじめ蒸機が走る機会がいろいろありそうだ。まだまだ別の機関車にも出会えるのか、モスクワの蒸機初心者にとっては当分目が離せそうにない感じである。

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▲モスクワにはさながら美術館のような歴史的駅舎が多い。見事なドーム天井のメトロ・コムソモールスカヤ駅。'11.1.6 P:渡辺康正
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▲ヤロスラブリ駅(左)とレニングラード駅(右)も圧倒される美麗な建築。'11.1.6 P:渡辺康正
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鉄道の撮影について-補足-
前回の報告で鉄道の撮影について長々と記した。しかし、参加したツアーではどこでも撮り放題だし、沿線で撮っている人も散見されるし、クラスコボで通りがかったおじさんも蒸機を見てニコニコして話しかけてきたし...。ロシアではもはや鉄道の撮影についてさほど厳しくないのではないか、というのが今の感想である。もっとも、鉄道の撮影は完全に問題がないことを確認しているわけではなく、今まで単に運が良かっただけかも知れない。パスポートといざとなったら撮ることをあきらめる覚悟を必ず持って、常に用心するに越したことはない。

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▲ターミナルが集まるコムソモールスカヤ広場のパノラマ写真。'11.1.6 P:渡辺康正
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▲クリックすると「今日の一枚 The Movie」よりアンドロノフカで機回しを行なうЭр774-38をご覧いただけます。'11.1.9 P:渡辺康正 再生時間1分32秒

渡辺康正さん、ありがとうございました。昨夜の余震のニュースもすぐにロシアの地にも伝わり、さっそく案じるeメールを頂戴いたしました。慣れない異国の地での赴任、次々と災禍に見舞われる母国...ご自身も心安らかならざる日々をお過ごしなのではないかと思います。ふたたび彼の地の興味深いレポートを拝見できる日を楽しみにしております。

■JR東日本運転再開状況
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▲4月8日現在のJR東日本管内の運転再開状況および運転再開予定。 JR東日本提供
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▲ツアー参加者に見守られながらАндроновка(アンドロノフカ)駅で機回しをするЭр774-38。'11.1.9 P:渡辺康正
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Эр774-38に牽かれた981列車は9時41分にキエフ駅を出発後、路線やこれから先通過する駅、車窓の景色に関するガイドさんの解説とともに環状線を時計回りに走っていく。途中、Лихоборы(リホボルィ)駅の構内では、偶然だが、検修庫のような建物が火事で、消火に大わらわ。また、今回もお湯を入れたやかんを持ってチャイの車内販売が回ってくる。このお湯を沸かすサモワールは乗務員室近くに備えられていてやはり石炭焚きだ。

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▲車窓から有名なノヴォデヴィッチ修道院をのぞむ。'11.1.9 P:渡辺康正
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110306n037.jpgこのまま環状線を回るのかと思ったら、Черкизово(チェルキゾボ)駅で一旦停車。ホームがないので乗客はぞろぞろと線路上に降りて機回しを見物する。日本だったら沢山の鉄道職員とタイガーロープに囲まれて厳重に安全確保というところだが、ここでは三々五々勝手に線路に立っている。機関車に乗って記念撮影している若者は発車の汽笛であわてて飛び降りるし、やがて転線したЭр774-38は自分たちが立っている線路を走ってくる。誰ともなく「Осторожно!(アスタロージュナ=気をつけて)」と声をかけながら退避する。
▲客車のサモワールも石炭焚き。'11.1.9 P:渡辺康正
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▲洋の東西を問わず機関車のキャブは人気の的。'11.1.9 リガ駅 P:渡辺康正
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25分ほどかけた機回しの後、列車は逆機のЭр774-38に牽かれて反時計回りに戻っていく。さきほどのリホボルィ駅の火事は炎は見えなくなったもののまだ消火作業中。手前には、緑色のディーゼル機関車に牽かれたタンク車+客車(職用車)+タンク車の赤い編成が止まっている。この夏、モスクワ郊外の森林火災の時にも出動した「消防列車」だ。タンク車に水や消火剤を積み、消防機材とともに駆けつけて消火にあたる列車で、車輌基地に留置されているのを見たことがある。ロシア鉄道のホームページによれば、この季節、車輌基地で消火訓練をしているとのことだったが、今回の出動はもちろん本番。

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▲車窓から垣間見た"消防列車"。森林火災の際にも大活躍している。'11.1.9 P:渡辺康正
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▲第2の折り返しアンドロノフカ駅(左)。構内にはレールが積み上げられていた(右)。'11.1.9 P:渡辺康正
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列車は更に反時計回りに進み、今度はАндроновка(アンドロノフカ)駅で一旦停車。PC枕木やレールが積み上げられているところはさながらモスクワの「越中島」だ。ここでまた約25分かけて機回し。11月の前回も今日もいわゆるフォト・ラン・バイはないが、結果的には入換えや機回しがその代わりになっている。

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▲終点のリガ駅に到着したツアー列車。モスクワの外郭線を巡る今回のツアーもここで大団円。'11.1.9 P:渡辺康正
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もう一度時計回りに走り出した列車は、今度は途中から中心部に向かう線路に移り、保存蒸機のねぐららしいクラスニー・バルチェッツを経て、列車が走っているあいだ中しゃべっていたガイドさんへの盛大な拍手とともに、リガ駅の前回と同じホームに到着した。違うのは機関車とうず高く積み上げられた雪。煙を上げるЭр774-38を囲んで、今回もしばし記念撮影とキャブの見学の時間となってツアーが終了した。

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▲クリックすると「今日の一枚 The Movie」よりチェルキゾボ駅での機回しシーンをご覧いただけます。'11.1.9 P:渡辺康正 再生時間1分46秒

■JR東日本運転再開状況
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▲4月7日現在のJR東日本管内の運転再開状況および運転再開予定。 JR東日本提供
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▲東北新幹線の地上設備の主な被害と復旧状況(4月4日現在)。 JR東日本提供
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JR東日本より東日本大震災による地上設備の被害とその復旧状況についての最新発表がございましたので、本日はこの発表資料をお目に掛けることにいたしましょう。

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▲主な地上設備の復旧状況(新幹線)。 JR東日本提供
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約1200カ所におよぶ被害を受けた東北新幹線は、現在、那須塩原~盛岡間が不通となっておりますが、すでに発表されているとおり、一ノ関~盛岡間は明日4月7日、那須塩原~福島間は4月12日、最後に残される福島~一ノ関間も4月下旬までには運転再開予定で、4月中に全線での運転が再開されます。

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▲在来線の地上設備の主な被害と復旧状況(4月4日現在)。 JR東日本提供
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▲主な地上設備の復旧状況(在来線)。 JR東日本提供
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▲津波を受けた7線区の主な被害と点検状況(4月4日現在)。 JR東日本提供
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一方、約4400カ所の甚大な被害を被った在来線ですが、本日全線開通を果たした釜石線や、今月中旬に全線での運転再開を予定している東北本線をはじめ、驚異的なピッチで復旧作業が続けられており、配信されてきた資料画像からも、どれほど不眠不休の努力が重ねられているのかがひしひしと伝わってまいります。津波被害を受けた7線区についてもJR東日本の清野社長は必ず復旧すると発表されており、掛け替えのない地域の足としての鉄路は、きっと近い将来再び軽快なジョイント音を響かせてくれるに違いありません。

■JR東日本運転再開状況
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▲4月6日現在のJR東日本管内の運転再開状況および運転再開予定。 JR東日本提供
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▲キエフ駅で出発を待つЭр774-38牽引のツアー列車981レ。'11.1.9 P:渡辺康正
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レポートをいただいてからだいぶ時間が経ってしまいましたが、モスクワに赴任しておられる渡辺康正さんからお送りいただいた保存蒸機体験記を始めることにいたしましょう。
(前回のレポートはアーカイブ「モスクワで保存蒸機列車に乗る」参照)

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▲歴史を感じさせるキエフ駅の待合室。'11.1.17 P:渡辺康正
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あのЭр774-38は生きていた!
モスクワの鉄道技術歴史博物館からの蒸機エクスカーションからから2ヶ月弱、年明け1月から、オルフェイ社による2011年の蒸機列車ツアーが始まった。今回参加した1月9日のツアーは、1908年に開通した約54kmのモスクワ環状線を巡るもの。蒸機列車に乗って環状線の歴史をたどりながら、ノヴォデヴィッチ修道院、モスクワ・シティ、イズマイロフ公園、オスタンキノテレビ塔などの観光名所を遠望しようという趣向である。

110306n033.jpgこの路線は、レニングラード、ヤロスラブリ、カザン、パベレッツ、キエフ、ベラルーシ、リガといった頭端式の主要ターミナルよりも外側をめぐり各方面を結ぶように敷設されている。しかし現在では、古い駅は残っているものの、非電化で近郊旅客電車は運転されておらず、ディーゼル牽引の貨物列車などが中心の路線のようである。ここを蒸機列車はどちら回りにどう走るのかなど、あれこれ想像をめぐらせながらアパートを後にした。
▲キエフ駅待合室のエントランス部。その巨大さに圧倒される。'11.1.17 P:渡辺康正
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▲今回のツアー列車の行路。キエフ駅を出た列車はモスクワの外郭環状線ともいうべき路線を時計回りにЧеркизово(チェルキゾボ)駅まで進み、ここで折り返して今度は反時計回りにАндроновка(アンドロノフカ)駅までほぼ一周。さらに折り返して時計回りに進み、中心部のリガ駅に帰着するという凝ったプラン。(筆者作図)
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▲キエフ駅の威容。モスクワ中心部には由緒ある歴史的駅舎が数多くみられる。'11.1.17 P:渡辺康正
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110306n048.jpgキエフ駅に着いたのは朝9時ごろ。この時期、北緯55度45分のモスクワの空がようやく明るくなり始めるのは8時半過ぎなので、まだまだ暗い。しかし、緑色の017形?客車2輌は既に入線しており、機関車は居ないが石炭の煙の匂いがする。よく見ると客車のデッキに炎がちらちらする。暖房用に石炭ストーブを焚いているのだ。やがて逆機で姿を現した蒸機は...11月にクラスニー・バルチェッツの扇形庫前においてあったЭр(ER)774-38だ!あの機関車も動態だったのだ!
▲キエフ駅ホームの出発案内表示。団体981レは4番線からの発車。'11.1.9 P:渡辺康正
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▲百足のような5軸が特徴のЭр形のサイドビュー。第3動輪はフランジレスとなっている。'11.1.9 P:渡辺康正
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Эр形を含むЭ形は帝政ロシア末期に発注され1912年に米国で設計・製造が開始された機関車に端を発する系列で、1957年までに約12,000輌も製造されている。改良ごとに付けられたЭの次の上付きの小さいアルファベットが日本で言えば番代区分に相当し、第二次世界大戦中にアメリカとカナダから提供された機関車もЭа形などと付番されている。

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▲ツアー列車は客車2輌。先にホームに据え付けられて機関車の到着を待つ(左)。逆機で4番線へ進入してきた本日の主役Эр774-38。'11.1.9 P:渡辺康正
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110306n044.jpg今回のЭр形は火室と蒸気過熱管を拡充したЭ形系列の最後の改良型。第二次世界大戦後にポーランド、チェコスロバキア、ハンガリー、ルーマニアで約2,700輌が製造され、1980年代まで貨物列車牽引や入換えなどに活躍していた機関車だ。11月の列車を牽引したЛ形よりも一回り小さく、スポーク動輪、少し長い煙突などがクラシカルな印象を与える。それでも全長21.9m、重量85.8tだから日本のD51よりも少し大きめといったところだろうか。もっとも軸配置が0-10-0なので、ボイラーの下に並んだ動輪は径1,320mmと小さめ、最高速度もЛ形の80km/hに対し65km/hと遅めに抑えられている。また、スムーズな曲線通過のため第3動輪がフランジレスなのはЛ形や日本のE10とも共通した5軸機の特徴だ。今回は製造銘板が見つけられなかったのでЭр774-38の製造年、工場は不明だが、東欧のどこかで製造され、ロシアで運行の後、運良く保存された一輌だ。空気溜メにある25-03-2010の標記からすると、去年検査を受けたところだろう。
▲そのキャブ。側面には大きな形式番号の切り抜き文字が取り付けられている。'11.1.9 P:渡辺康正
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■JR東日本運転再開状況
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▲4月5日現在(関東・甲信越は4月4日現在)のJR東日本管内の運転再開状況および運転再開予定。 JR東日本提供
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昨年12月にモスクワ在住の渡辺康正さんの動態保存蒸機レポートをご紹介いたしましたが、実は今回の震災直前にはその続編をお目に掛けようと準備を進めていたところでした。渡辺さんからはお見舞いのメッセージとともに、モスクワの日本大使館前に捧げられた数えきれない献花の写真が送られてまいりました。
▲モスクワの日本大使館前に供えられた献花。P:渡辺康正
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東日本大震災でご不幸にあわれた方々、また、被災された方々をはじめさまざまなご苦労に直面されている皆様に心からのお悔やみとお見舞いを申し上げます。
 震災はロシアでも連日大きく報道され、モスクワの日本大使館前には数多くの皆さんからのお悔やみやお見舞いが続々と届けられています。この場をお借りしてまず、ロシアの皆さんのこうしたお気持ちをお伝えしたいと思います。
 海外にいても被害の惨状に言葉を失い、また、被災地はもとより広範囲で大変な困難にあえぐ鉄道を目の前にして、こんな状況下、鉄道趣味とは?とも考えさせられました。そんな中、困難の中一部運行を再開した三陸鉄道や燃料輸送列車のニュース、そして日本のファンの皆さんのメッセージを胸に迫るものを感じながら拝見しています。かつて悲願の末に開通した鉄道が被害を乗り越えて地域に再び復興の希望をもたらしてくれる。そんな様子をこの時代を過ごす一レイルファンとして胸に刻み、影ながら応援して参りたいと思っています。
 何かと気を遣う当地にいると、心おきなく鉄道趣味を楽しめた日本の環境のすばらしさを改めて実感します。皆様のご無事と日本の復興、そして鉄道を心から楽しめる日が戻ってくることをお祈り申し上げます。

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▲凍てついた朝、キエフ駅に進入してくるЭр(ER)774-38。'11.1.9 P:渡辺康正
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ありがとうございます。渡辺さんのモスクワ保存蒸機レポート続編は、明日から順次お伝えしてゆこうと思います。

■JR東日本運転再開状況
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▲4月4日現在のJR東日本管内の運転再開状況および運転再開予定。 JR東日本提供
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ひたちなか海浜鉄道は今。

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▲道床が完全に崩れて宙に浮いてしまった湊線の軌道。'11.3.18 P:船越知弘
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東日本大震災では東北のみならず関東の鉄道も大きな被害を被っております。ここ数年、数々の積極的な施策を打ち出して再建への道筋が見えてきたひたちなか海浜鉄道もそのひとつで、「おらが湊鉄道応援団」の広報担当・船越知弘さんからその窮状が送られてきましたのでご紹介いたしましょう。

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▲金上-中根間の人気撮影ポイントでもあった溜池部はご覧のような惨状に...。'11.3.18 P:船越知弘
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▲十か月前の同地点。溜池が水鏡となって長閑な田園風景を見せてくれていた。'10.5.29 P:名取紀之
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名取編集長様、大変お世話になっております。茨城の船越です。
この10日間、本当に大変でした。また、私達自身、外部の情報に触れられるようになるまでかなりの時間が掛かり、この間、私たち茨城県北部の被災状況について報道されていないことには大変驚きました。特に沿岸部は津波被害甚大で、ひたちなか市界隈も大きな被害となっています。私自身だけでなく、応援団メンバーのほとんどもそうでしたが、4日間の停電や、不安定だった携帯電話通信、7〜10日間の水道遮断に見舞われました。これは本当にきつかったのですが、同じ境遇にあった応援団メンバーやご近所様、写真撮影を通じて知り合った湊線沿線の皆様に色々と助けていただききながら、なんとかしのぐことが出来ました。

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▲大きく波打ってしまった軌道。運行中の列車に人的・物的被害がなかったのがせめてもの救い。'11.3.18 P:船越知弘
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また、家族や仲間の無事は、震災直後携帯電話が通じてきた僅かな時間の間に、Twitterで比較的早く把握することが出来、これは助かりました。そういった状況にはありましたが、なんとか湊線の被害状況は、私の方では当日の夕方には把握し、ネットに第一報として発信。翌12日から被災状況の撮影を始め、会社の休業を活かし、毎日facebookで発信を続けています。
■応援団フェースブックページ
http://www.facebook.com/MinatoLineSupporters

hitachinaka05.jpg湊線の路盤陥没、流出を伴った大きな被災現場は3カ所です。
(1) 溜池の所の決壊による土砂流出(金上−中根間)。
(2) 中根の坂(石切場踏切−溜池踏切の間)の陥没によるレール変形。
(3) 那珂湊−殿山間の路盤陥没によるレール変形(富士見橋の南側)。
一方、那珂湊駅は被害ほとんどなく、また、震災時に走っていた車輌はいずれも奇跡的に脱線を免れました。お客様にも怪我はありません。勝田から那珂湊に向かって走っていたキハ205は中根駅停車時に、阿字ヶ浦から那珂湊に向かって走っていたキハ3710-01は殿山駅接近時に震災に遭遇。中根駅の両脇はレールが変形、キハ3710-01が止まったすぐ後ろは路盤陥没だったそうで、震災発生のタイミングが15秒もずれていたら、車輌も被災していたかもしれません。
また、那珂湊のおさかな市場も4mほどの津波が計4回押し寄せ、建物は大丈夫だったもののお店の設備や売っていた魚一切合切流されてしまい、大変な状況です。
▲震災後の応援団の活動を報じる3月23日付け毎日新聞。
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湊線復旧については、先日ようやく業者の現場確認が行われ、特に溜池の崩壊現場については、重機をアクセスさせるための道路造り+工事に3ヶ月と聞いています。ようやく19日から代行バスが1時間に一本ですが、走り始め、復興に向けた取組が始まったばかりです。なお、4月24日に予定されていた開業3周年イベントは中止となったものの、それに向けたグッズなどは準備しており、もし那珂湊駅方面にお越しになった方がいらっしゃれば、ぜひ那珂湊駅でお買い求めください。

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▲金上-中根間の築堤もこのありさま。復旧作業はまず築堤の再構築から始めねばならない。'11.3.18 P:船越知弘
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ひたちなか海浜鉄道の吉田千秋社長からも「ありがとうございます。復旧費2億円、復旧所要日数3カ月、状況が整理されたら皆さんに具体的なご支援を呼びかけたいと考えております。その際は、よろしくお願いいたします。」とのメッセージをいただいております。

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