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「わんぱくらんど」の"へっつい"。

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▲かつての熱海鉄道の山越えを髣髴させる牧場裏手の斜面を行く"へっつい"の列車。'10.12.5
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東海道本線の小田原駅からバスで10分ほど山側に行ったところに小田原こどもの森公園「わんぱくらんど」があります。小田原市が運営するこの施設は、1991(平成3)年9月に国から指定を受けた全国15か所の「平成記念子供の森公園」のひとつで、市制60周年を記念して2000(平成12)年に開園しました。この「わんぱくらんど」に"へっつい"が走っていると聞き、訪ねてみることにしました。

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▲電動レプリカとはいえ良くイメージを捉えている。一応ブラスト音らしい擬音とささやかなスモークも出る。'10.12.5
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"へっつい"とは大日本軌道鉄工部(雨宮)などが軌道用に製造した小型蒸気機関車の愛称で、志賀直哉が小説「真鶴」(1920年)の中でこう形容したことから名付けられたもの(アーカイブ「熱海の"へっつい"を見る」参照)。大日本軌道小田原支社(熱海鉄道)所属機が"語源"ですから、小田原市にとっても縁の機関車に違いありません。

101209nn004.jpg園内の東管理棟前のエントランス広場駅と園内中央に位置する冒険の丘駅を結ぶ軌道は全長約520m。エンドトゥエンドの線形ながら両端駅はリバースとなっており、列車は自動的に方転して常にチムニーファーストとなります。肝心の機関車は大阪市の遊具メーカー・泉陽興業/泉陽機工で2000(平成12)年4月に製造されたもので、"へっつい"の特徴を見事に捉えた秀作です。なお、このメーカーは那須にある「りんどう湖ファミリー牧場」のアプト式鉄道(アーカイブ「知られざるアプト式鉄道」参照)も手掛けています。
▲路線の両端はスプリングポイントを用いたリバース線となっており、列車は機回しをすることなく編成ごと方転する。'10.12.5
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使用電圧は200V。興味深いのはその粘着方式で、台枠内に巧みに仕込まれたゴムタイヤが、勾配区間では軌道中央に設けられた走路を踏んで粘着を稼ぎます。路線にはかなりの急勾配も見受けられますが、このギミックによって"へっつい"は難なく2輌の客車(36人乗り)を牽引してしまいます。

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▲「わんぱく砦」を行く列車。天気に恵まれれば遙か周辺の山々も見渡せる絶好のビューポイントとなる。'10.12.5
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▲機関車背面に取り付けられた泉陽興業・泉陽機工の製造銘板(左)。勾配区間の軌道間にはタイヤ走路が設けられており、ゴムタイヤがこの走路で強力な粘着を得ている(右)。'10.12.5
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こども列車「なかよし号」と名付けられたこのミニ列車、平日には10時~15時台に30分ヘッド、休日・混雑時には9時30分から16時の間状況に応じて周回運転を行っています。乗車料金は大人(中学生以上)300円、小人(小学生)100円(未就学児は無料/いずれも片道)。開園時間は9:30~16:00(夏休み期間は16:30)、休園日は毎週月曜日(祝日を除く)・祝日直後の平日・年末年始(12/28~1/4)・雨天(GW・夏休みは無休)。市の施設だけに入園無料というのも特筆されます。春めいてきた休日の一日、"へっつい"に会いに出かけてみられてはいかがでしょうか。

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▲ちなみに熱海駅前の"本物"は公式側を遮っていた植栽が取り除かれ、ここ数十年で最も写真が撮りやすい状態となっている(アーカイブ「熱海の"へっつい"を見る」参照)。光線状態は午前中、しかもビル影が抜ける11時頃がベスト。'10.12.4
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