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那珂湊の97式軽貨車を見る。

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▲軌間変更用の車軸のカラー(スぺーサー)部を見る。車輪は幅130㎜(フランジ含む)とかなり幅広。'10.5.29 那珂湊
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この4月にひたちなか海浜鉄道を訪れた際(アーカイブ「ひたちなか海浜鉄道を訪ねる」参照)、那珂湊に残る97式軽貨車とひさしぶりの対面を果たしました。しかし、この時はゆっくりと拝見する時間がとれず、再訪を期せねばと思っていたところ、幸い5月に再び那珂湊の地を訪ねることができました。

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▲薬剤散布用のグラスファイバータンクを載せたこの個体は"現役"。オリジナルの車匡が載っているのが特筆される。ブレーキハンドルが低いのも特徴的。'10.5.29 那珂湊
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▲上の薬剤散布用車の下り方端梁にはレール繰り出し用のローラーが残っている(左)。右は日本車輌東京支店製の銘板。「昭和19年10月 №4120」の打刻が読み取れる。'10.5.29 那珂湊
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ひたちなか海浜鉄道(旧茨城交通)湊線の97式軽貨車については、『トワイライトゾ~ン・マニュアルⅡ』(1993年)所収の「もしかして97 式? ~さまよえる軍用貨車の亡霊~」でレポートしたのを端緒に、その後も何回か取り上げてまいりました。ただ、これまで湊線に残存する97式軽貨車は6輌としてきましたが、今回那珂湊で現認した個体は9輌で、『トワイライトゾ~ン・マニュアル 5』所収「前が横になった話 ―さまよえる軍用貨車の亡霊'96―」で山廣康夫さんが克明に調査された中に含まれていない個体が3輌もありました。

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▲検修庫脇に積み重ねられていた1対の97式。'10.5.29 那珂湊
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▲その構造が間近で見られるのは貴重。右は蓋が外れて露出した軸受部で、97式の特長でもあるベアリングがよくわかる。'10.5.29 那珂湊
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97式軽貨車は当時(1937年)、国鉄(鉄道省)車輌でもまだ使用されていなかったベアリング軸受を採用、その転がりの良さゆえ、戦後も保線用車輌や仮台車としても重宝されたようで、近年でも各地でその発見報告がされています。ここ湊線でも薬剤散布用の事業用車輌等としていまなお活躍しているそうで、さすが軍用車輌だけあってその耐久力には驚かされます。

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▲オリジナルの車匡が残るもう1組。実戦ではこのようにボギー状態で様々な用途に用いられたという。'10.5.29 那珂湊
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▲貨物側線奥に積み重ねられた2輌(左)と、車匡上り方の個体(右)。車匡側面にはアルミ製の日車銘板(№1722)が残る。'10.5.29 那珂湊
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鉄道聯隊ゆかりの新京成電鉄が自社に残っていた97式軽貨車を修復・保存したのは記憶に新しいところですが(アーカイブ「くぬぎ山の97式軽貨車を見る」参照)、車匡やレール繰り出しローラーを含め、他所にないコンプリート状態で複数が残されている湊線の97式だけに、将来的にはぜひ保存の途を探っていただきたいものです。

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