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佐久鉄道のキホハニ56。(下)

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▲客室内から荷物室側車端を見る。ロングシートの先に客用扉、その先に荷物室との間仕切りが見える。また、右側上段の窓桟には戦後の資材不足時代の名残が見てとれる。'10.5.15
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このキホハニ56が保存されているのは佐久市の旧中込小学校資料館横の成知公園。旧中込小学校校舎は1875(明治8)年に成知学校校舎として建てられた大変由緒あるもので、国の重要文化財・史跡のほか、長野県宝にも指定されているそうで、時間が許せばぜひこちらも見学したいところです。

10517n491.jpgC56 101号機とともに模擬ホームを挟んで展示されているキホハニ56ですが、四方はかなり高いフェンスに囲まれており、接近することはかないません。しかし、隣接する旧中込小学校管理室に申し出て見学ノートに記名すればこのフェンスの鍵を開けてもらうことが可能で、室内を見学させていただくこともできます。2輌の保存車輌の管理は佐久市役所文化財課が行っており、両車ともにたいへん美しい状態に保たれています。
▲現存最古の洋風建築校舎として重要文化財にもなっている旧中込小学校。保存車輌はこの旧中込小学校資料館に隣接した公園にある。'10.5.15
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▲荷物室と逆側の車端部。半室式の運転台横には2人掛けのシートが備わる。側扉の窓桟も三岐時代の資材不足を反映したもの。'10.5.15
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▲キホハニ56の運転台。典型的な機械式気動車の運転台で、手前床にクラッチ、中央にスロットルレバーが見える。インパネのノブはチョーク。'10.5.15
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さて、キホハニ56の室内は内幅が2050㎜とたいへん狭く、現代の感覚(E233系は2750㎜)からするとちょっと不思議な空間に思えます。さらに片側車端部には全長の四分の一ほどの荷物室があり、専用扉が設けられています。興味深いのは運転室で、ワイヤー式のスロットルレバーやチョーク、クラッチペダルなど、かつての機械式気動車の運転装置をつぶさに見ることができます。

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▲佐久鉄道キホハニ56竣功図。新製当時は側扉の手すりを兼ねた縦雨樋が特徴だったという。台車形式は日本車輌BB-78形と記載されている。
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キホハニ56の6輌の仲間は、鉄道省で廃車後それぞれの道を歩むこととなります。51号は土佐電気鉄道クハ2101、52号は船木鉄道キハニ50、53号が名古屋鉄道サ2241→豊橋鉄道ク2241、54号と55号が西武鉄道キハ111・112→北海道拓殖鉄道キハ111・112(『内燃動車発達史』上巻参照)と変遷を重ねましたが、もちろんこれら僚車5輌はいずれも現存していません。落成(1930年)以来、今年で80年。日車本店初期のボギー内燃動車としても歴史の一頁を飾る本車が、ゆかりの地で大事に保存されているのはなんとも嬉しい限りです。

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▲キホハニ56とともに保存されているC56 101号機。かなり大ぶりなスノープラウが取り付けられている。'10.5.15
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