鉄道ホビダス

芦生森林鉄道を歩く。(中)

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▲標高は400?500mほどとさほど高くはないものの、京都市内と比べると気温はぐっと低い。3月下旬とはいえ芦生の森はまだ本格的な春にはほど遠い。'10.3.22
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"一軒家"の畑地を過ぎた芦生森林鉄道はふたたび由良川左岸に取り付き、北山杉の杉林の木漏れ日の中を進んでゆきます。軌道の状態も良好で、歩き進むにしたがって、一度走っている光景を見てみたいとの思いが強まります。

100411n159.jpgこの京都大学芦生研究林の軌道は昭和初期に敷設されたもので、最盛期には延長7kmあまりに達したそうですが、現存しているのはカズラ作業所までの区間(昨日掲載の林内図参照)で、しかも起点から2㎞ほどの灰野谷出合付近から先はメンテナンスもされていないと聞きますので、今回はとりあえず灰野を目指して歩くことにしました。
▲起点から500mほどの地点に側線の跡が残されている。この辺りから軌道はまっすぐ南下してゆく。'10.3.22
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▲森林鉄道とはいえ枕木はPC枕木が使用されている(左)。"現役"の軌道だけに保線用の交換枕木が山積みになっているのも見られる(右)。'10.3.22
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あらためて驚かされたのはPC枕木です。森林鉄道といえば当然のことながら木製の枕木と思いがちですが、ここ芦生では本線の枕木のほとんどがPC化されています。もちろん今どき2フィート6インチ軌間用のPC枕木など既製品があろうはずもなく、おそらく大学の特注品なのでしょう。いずれにせよ、PC化の恩恵もあってか、灰野までの軌道の状態はかなり良好です。

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▲"一軒家"を過ぎた軌道は再び由良川に寄り添う。この付近ではまだ川面との高低差が少ないが、上流に行くにしたがって次第に高低差が開いてゆく。'10.3.22
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木々が芽吹く前だけに軌道周辺の森は静穏を保っていましたが、これからの季節はいろいろな動物も姿を見せるようです。軌道沿いには「これより先の森林軌道沿い周辺では(中略)ヘビ類の生態・行動の調査を十余年間にわたって行っています。ヘビ類をむやみに殺傷したり、採取したりしないようご協力願います」(京都大学理学研究科動物学教室)との看板も見られました。

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▲等高線をトレースするように右へ左へとカーブをきりながら上流を目指す。由良川の清流が心地よい水音を響かせる。'10.3.22
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▲起点1kmほどの地点に見られる小さな橋梁。沢を越えるこのような橋梁は何ヶ所か見られるが、さすが大学の研究林だけあった、いずれも木橋ではなく鋼橋となっている。'10.3.22

かつては集落があったという灰野までは約2㎞。トレッキングのルートとしても利用されており、歩きやすい軌道敷きが続きます。しかもわずかな距離の中に多彩なシーンが凝縮されており、2010年の日本にまだこんな"林鉄"が残されていたのかと、あらためて驚かされます。

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