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西武鉄道E31形ファイナルランへ。

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▲保線用工事列車の廃止にともない不要となった無蓋車トム301形を横瀬へと廃回するE31形プシュプル列車。折しも下り本線をレッドアローが追い抜いてゆく。'07.6.10 吾野 P:名取紀之
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先月号から本誌誌上で連載をしている西武鉄道の電気機関車E31形が、なんと再来週3月28日にファイナルランを行ってその姿を消すこととなりました。

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▲プシュプル列車の先頭にたつE31形E33。このE33号機は僚機よりひと足早く昨年1月末日付けで廃車され、現在では横瀬に保存されている。'07.6.10 吾野 P:名取紀之
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E31形は1986(昭和61)年から翌1987(昭和62)年にかけて4輌が製造された、大手私鉄最後の新製電気機関車です。"新製"といっても製造は自社の所沢車輌工場。台車や主電動機をはじめ多くの部品は同工場のストック品の流用で、今はなき所沢車輌工場ならではの、いわば忘れ形見とも言える存在でした。

100316n078.jpg新製当時、西武鉄道にはディッカーやウェスチングハウス、さらにはブラウンボベリーといった歴史的電気機関車5輌が在籍しており、西武秩父線内でのセメント輸送の旗艦であったE851形とともに貨物列車の牽引にあたっていました。しかし、すでに一般貨物輸送は減少の一途で、E31形は当初から保線用工事列車の牽引を主目的として誕生しました。ちなみに夜間の線路保守作業は、終電と初電の間隔が短い大手私鉄にとっては大きな悩みの種で、都市部ゆえ保線基地を各所に設けるわけにもいかず、終電後に郊外の保線基地から資材を運搬せねばなりません。この際に足の遅いモーターカーではなにかと不自由で、線路閉鎖をかけずとも本線上を走行できる機関車の存在は実に有用だったのです。E31形もそんな需要を背景に誕生しましたが、保線車輌の急速な進歩とともに2006(平成18)年度に新宿線、2008(平成20)年度に池袋線の工事列車が廃止されたのにともない、最近では新秋津を経由する甲種輸送に用いられるだけとなってしまっていました。
▲コロ軸化されたトム301形306。最盛期には100輌を越えたトム301形も、最後は数輌が保線用に活躍しているのみだったが、現在では全車廃車されてしまっている。'07.6.10 吾野 P:名取紀之
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▲E33+トム+ホキ+E34の編成で発車を待つ下り貨物列車。無蓋車を従えた姿は2008年を最後に見ることができなくなってしまった。'07.6.10 芦ケ久保 P:名取紀之
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西武鉄道ではこの引退を受けて、来る3月28日(日)に「E31形電気機関車 さよならイベント」を開催します。イベント当日は、E31形が三重連で横瀬―西武秩父間を1往復するさよなら運転が行なわれるほか、横瀬車両基地ではE31からE34まで4輌を並べての撮影会、貨車牽引の実演、「さよなら記念乗車券」の発売や写真展示などの各種催しが開かれます。

100316e31004.jpg■開催日時:2010(平成22)年3月28日(日) 10:00~14:30(雨天決行・荒天中止)
■開催場所:横瀬車両基地
■入場料:無料 ※現地までの交通費は各自負担
■アクセス:西武鉄道西武秩父線横瀬駅下車 徒歩5分

■イベント内容
①E31形さよなら運転・撮影会・貨車牽引実演
②さよなら記念乗車券(3枚1セットの硬券、980円)の発売
 ※3,100セット限定発売、一人2セットまで
 ※当日会場限定発売で、売り切れ次第販売終了
 ※転売目的の購入は不可
③子ども向け制服撮影コーナー
④ミニSLの運転
⑤E31形グッズ(タオル等)の発売
⑥鉄道むすめVol.10(井草しいな)の先行発売(500個限定)
⑦フワフワ等遊具の設置
⑧飲食売店の営業
※E31形電気機関車以外の展示、運転台見学、鉄道部品の販売はない

▲「南入曽車両基地 電車夏まつり」での展示を終えて横瀬車両基地に回送されるE31+E34+E32。さよならイベントでは三重単で横瀬―西武秩父間を一往復する。'08.8.30 新所沢―航空公園 P:小野雄一郎
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●E31形さよなら運転
 E31+E32+E34の三重連で横瀬―西武秩父間を1往復
 【運転時刻】
  横瀬11:15発→西武秩父11:20着(展示)
  西武秩父12:00発→横瀬12:05着。

  ※さよなら運転には乗車できない
■その他
○安全確保のため、指定場所以外の線路内立ち入りは厳禁、係員の指示に従うこと
○横瀬車両基地以外の鉄道敷地内および沿線私有地での撮影は禁止
○運行上の都合により変更または中止になることがある

▲所沢から分岐してJR武蔵野線新秋津に向かうE31+E34+247F。E31形が車輌を牽引するのはこの列車が最後となるだろう。'10.2.27 所沢―武蔵野線新秋津 P:小野雄一郎
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このE31形の引退により、ついに関東の大手私鉄で電気機関車を所有する会社はなくなってしまいます。全国に目を向けても大手ではあとは名古屋鉄道のみ、中小私鉄を含めても電気機関車を所有(稼働状態になく車籍のみ残すものも含む)する会社は18社、定期運用が組まれているのはわずか4社というのが現状です。引退する3輌が今後ふさわしい再雇用先を見つけてくれるのを祈るばかりです。

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