鉄道ホビダス

正しい「電略」。(上)

100113nfig1.jpg
車輌の所属標記をはじめ、現在でも国鉄時代からの鉄道電報略号=「電略」は随所に生きています。職掌ではかつての乗客専務車掌を示す「カレチ」、運転関連では運休を表す「ウヤ」などは、今でも私たちファンの間で日常的に使われていますが、それでは“口承”ではなく正確な鉄道電報略号はというと、貨物列車を「カモレ」(正しくは「カレ」)と言い慣わしてしまっているように、意外と知られていないのではないでしょうか。

000n021.jpg電子メールはもとより、ファックスさえなかった時代、鉄道現場での通信手段は電話か電報でした。電話といっても一般電話ではなく鉄道電話、いわゆる「鉄電」(現在のJR電話。ちなみにRM編集部のJR鉄電番号は058‐4230番)で、通信ケーブルを介してのアナログ時代は距離が離れれば離れるほど通話状態は劣悪となり、例えば東京から北海道の支線の駅に電話をする場合など、さながら怒鳴りあいのような状態が日常茶飯でした。「手動」を「自動」と間違えぬように「てどう」と読み慣わすなど数々の工夫はなされていたものの、いかんせん電話では重大な齟齬をきたしかねず、多くの業務連絡は証拠も残る鉄道電報に依存していました。
000n022.jpg000n023.jpg
000n024.jpg000n025.jpg
▲国鉄各線の電報略号。本線はすべて「ホセ」が末尾につく。 (昭和34年9月17日『鉄道公報』通報別冊『鉄道電報略号』国鉄電気局より抜粋)
クリックするとポップアップします。

000n047.jpg000n050.jpg
▲電文用一般の一部(左)。いまだに進駐軍の電略(チグ)が記載されている。右は営業用電略の一部。 (昭和34年9月17日『鉄道公報』通報別冊『鉄道電報略号』国鉄電気局より抜粋)
クリックするとポップアップします。

そんな重責を担った鉄道電報ですから、その略号に関しても広く周知されているものとばかり思っていましたが、いざ調べはじめると、統括的にまとまった資料はなかなか見当たりません。そんななか、本誌連載「一枚の図面から」をご執筆いただいている岡田誠一さんから、昭和34(1959)年9月17日付『鉄道公報』通報の別冊として国鉄電気局が作製した『鉄道電報略号』をお貸しいただきました。

000n055.jpg000n056.jpg
▲運転関連の電略。貨物列車の電略は「カレ」であることがわかる。蒸気機関車時代だけに蒸気不昇騰(ジフト)などの用語も見られる。 (昭和34年9月17日『鉄道公報』通報別冊『鉄道電報略号』国鉄電気局より抜粋)
クリックするとポップアップします。

本書は箇所名、役職名、線路名称、営業関連、運転関連、気象通報、車輌記号、駅所名など、すべてのジャンルの「電略」を網羅したもので、単なるカタカナの羅列ではありますが、思わず読みふけってしまう興味深いものです。今回は岡田さんのご理解を得て、その一部を2回に分けてご覧いただきたいと思います。

hirota_2.jpg

レイル・マガジン

2010年1月   

          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31            
「編集長敬白」が携帯電話でもご覧になれます。下記アドレスもしくはQRコードを読み取ってアクセスしてください。
http://rail.hobidas.com/blog/
natori/m/

ホビダス・マーケット新着MORE

  • 俺がイル
ネコ・パブリッシングCopyright © 2005-2016 NEKO PUBLISHING CO.,LTD. All right reserved.