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2008年05月09日

大連市電は今…。(下)

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▲17年前の大連。満州時代の面影を色濃く残していた世紀街付近を行く3000形3019号。この頃はまだ車輌の更新も行なわれておらず、どこか日本の地方都市を彷彿させる情景が見られた。'91.3.22
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201系統の運行を一手に掌握しているのは民主広場(日本時代の敷島広場)にある民主車庫です。この車庫についてはかつて小ブログでご紹介したことがありますが(アーカイブ「「档案」のこと」参照)、日本時代からの建造物も残る由緒あるものです。

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▲“レトロ電車”として整備された旧3000形。ロックフェンダー式の救助網も健在。現在は7-2267とコンピュータコードのような新区分の車体標記がなされている。'08.3.20 民主車庫
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今回は事前許可を申請していなかったため車庫構内に入ることはできませんでしたが、入口から覗いた限りでは、長春、鞍山、ハルビンの市電などでも親しまれた大連製の“犬顔”1000形更新車の姿も垣間見れました。

dairensiden507.jpgさらに旧3000形の車体更新工事も引き続き行なわれているようで、DL6-W形の大量増備にも関わらず、齢70歳を超えながらも見違えるほど綺麗になった姿が並んでいました。どうやら“レトロ電車”として広く市民にアピールする意図もあるようですが、かといってイベント用車輌ということではなく、一般運用に充当されているのはなんとも嬉しい限りです。
▲同車の客室内。鴨居部には市電創業以来の歴史的写真がパネルになって飾られている。'08.3.20 民主車庫

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▲600V直接制御の基本構造はいまだにまったく変わってはいない。本車は1937(昭和12)年日本車輌製のはずだが、このコントローラーも当時のものであろうか…。'08.3.20 民主車庫

dairenic001.jpgその中でも民主車庫前のデルタ線で試運転をしていた“7-2267”は格別に整備された個体で、客室内に入れてもらうと、窓上には「大連市電の歴史」と銘打った写真パネルがずらっと展示されていました。木調の座席はもとより、運転機器もちょっと過剰なほどに輝いており、もしかすると“模範車”として位置づけされているのかも知れません。ただ、しばらく後には営業線へと出区してゆきましたので、やはりこの車も仕業を限定されることなく一般運用に組み込まれているのでしょう。
▲これが大連市電のICカード(一部画像処理しています)。市電のみならずバスやトロリーバスにも共用となっている。
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dairenic002.jpg旧3000形は基本的なスタイルこそ変わっていないものの、方向幕のLED化やアコモデーションの変更など大掛かりな更新改造が行われていますが、今回驚かされたのがICカードリーダーの搭載です。運転士と車掌(ちなみに必ず女性)が乗っている昔ながらの車内にも関わらず、電停にとまる度に例の“ピッ”というICカード認識音が響き渡ります。このICカード、「明珠カード」と呼ばれるもので、大連銀行でデポジットを支払って購入するものだそうです。市電はもとより、バスなどの公共市内交通共用で利用でき、カードを使った場合は多少の割引もあるとあって一気に普及したようです。
▲出入口部に設けられたカードリーダー。車齢70年を超える旧3000形と最新のテクノロジーの融合がいかにも現代中国らしい。'08.3.20 大連駅前
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▲意外と見落としがちなのが台車。コロ軸受け化された日車ブリル…と思いきや、前後の車輪径が異なるマキシマムトラクションになっている。'08.3.20 民主車庫

今回は市電が目的の旅ではなかっただけに、201路(系統)も半日ほど撮影したに過ぎず、近代化著しい202系統へは足を伸ばすことができませんでした。季節は5月。そろそろ大連名物のアカシアも見ごろを迎えるはずです。大連にお出でになった際は、新旧が混在しながら変化を続ける市電にも注目されてみては如何でしょうか。

投稿者 名取紀之 : 2008年05月09日 00:31

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