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2007年11月18日

徳沢・日出谷…有名撮影地の知られざる軌道。(下)

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▲下流に向かって辺りは開けた農地が増えてくる。耕地整備事業等で軌道跡の痕跡が消えてしまっている区間も少なくないが、このように判然と残っている箇所もある(昨日の地形図中の写真②地点)。'07.11.4

地形図で見る限り、奥川森林軌道は比較的開けた山間を、時には畑地や集落を抜けて進み、左岸へと川を渡る徳沢駅3キロほど手前から杉木峠の峡谷に分け入って阿賀野川右岸に出ます。

okukawa64.jpg廃校になった小学校なども散見され、恐らくこの辺りも過疎化が進んでいるのでしょうが、逆にお年寄りの姿はそこかしこに見かけます。それだけに「聞き込み」は比較的容易で、皆さん“山からのトロ”が通っていた場所を的確に示して下さいました。刈り入れの終わった田圃を整備していた方は、付近の雑木林入口に石積みの路盤が残っていることを教えてくれましたが、藪の中に目をこらすと確かに石積みが見えてくる…そんな一見では絶対に発見できない地元ならではの情報には今さらながらに驚かされました。
▲畑地横の雑木林に残る石積みの路盤。非常にわかりづらいが、薮の中に人工的な石積みが続く。(写真②地点)'07.11.4
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▲左岸を通っていた軌道は写真③地点で奥川の右岸に移り、徳沢駅まで杉木峠の峡谷へと分け入ってゆく。渡河地点には軌道橋の土台部分が残されている。(写真③)'07.11.4
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比較的なだらかな地形を奥川に寄り添うように下ってきた軌道跡は、杉木峠手前で左岸へと渡ります。この渡河地点には橋梁の跡と思われる痕跡が残っていますが、さきほどの石積みの路盤といい、かなり本格的な建設がなされたものと見受けられます。

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▲そして最後に阿賀野川を渡って徳沢駅構内に入る。地形図上では併用橋だったと思われる阿賀野川橋梁はもちろん立派な新橋に架け替えられているが、横には旧橋のものと思われる遺構が残されている。(写真④)'07.11.4

さて、この杉木峠越えの区間は、現在では道路は新道となって別ルートで整備されており、軌道跡の側の道はほとんど通行量もなく、かなり深い谷となって痕跡を探索するのも困難です。地形図によればこの狭隘な谷を抜けた軌道は奥川と分かれて阿賀野川右岸に取り付き、磐越西線と川を挟んで並行するかたちとなります。

okukawa69.jpg阿賀野川を渡る橋梁は地形図では併用橋のように見えます。もちろん現在では立派な鉄橋に架け替えられていますが、横に旧橋のものと思われるコンクリート製の遺構が残されています。遺構の形状からして軌道は現橋より高い位置、つまり磐越西線の路盤とほぼレベルの位置を渡っていたようにも見受けられます。いずれにせよ、現橋の銘板には竣工が1973(昭和48)年10月と記録されており、軌道廃止後十年以上にわたって軌道橋は道路橋として残されていたはずです。
▲奥沢森林軌道の土場だったと思われる徳沢駅上り方構内。久良谷沢から切り出された材はいったんここに集積され、磐越西線の貨物列車によって搬出されていったはず。画面前方に今は無人となった徳沢駅が見える。'07.11.4
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▲日出谷駅からしばらく磐越西線と並行したのち、紅葉の名所でもある実川渓谷へと分け入ってゆく「実川馬車軌道」。複数の年代の地形図に軌道の表記があるが、この昭和28年応急修正版にのみ「実川馬車軌道」と名称表記が見られる。(地理調査所発行1:50000地形図「大日嶽」(昭和32年発行)より加筆転載)
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残念ながら今回は訪ねることができませんでしたが、日出谷駅を起点とする「実川馬車軌道」なる軌道にも興味をひかれます。この軌道は戦前から昭和30年代まで地形図上に表記されているもので、日出谷駅上り方から2キロほど磐越西線と並行し、実川沿いに北上してゆく路線で、いったいどのような種類の軌道なのかはわかりません。ただこの実川流域には発電所がいくつか存在することから、電源開発用の資材運搬軌道だったのかも知れません。磐越西線と並走する区間は「SLばんえつ物語号」の俯瞰撮影ポイントとしても広くしられる場所。何十年か前には本線の列車と並走する「実川馬車軌道」が俯瞰できたはずです。

投稿者 名取紀之 : 2007年11月18日 17:25

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