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2006年06月09日

帰ってきた“アメB”。

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この春の異動で『カー・マガジン』編集部に移ったB滝さんから「こんなのが発見されました…」と、珊瑚模型店の金色の化粧箱を手渡されました。端面に貼ってある珊瑚の「明治・大正・昭和に活躍 型式2120(B6)」というラベルを目にして、一気に記憶が甦りました。そうです、かれこれ十年以上も前に『RM MODELS』誌上で“競作”を繰り広げた16番の「B6」ではないですか!

b65.jpg一応モデラーのはしくれを自認する身ではありますが、どうしたわけかあまり他人には言えない性癖(?)があります。やれリベット埋め込みだ、洋白からの削り出しだと手塩にかけたモデルも、出来上がった瞬間にほとんど興味がなくなってしまうのです。“出来上がった”と思えるのがどの時点かは一定ではないのですが、自分の気持ちとして完結したと思った時点で恐ろしいくらいに興味がフェードアウトしてしまうのです。ですからこれまでに“出来上がった”車輌の多くは、他人やお店(メーカー)にあげてしまったり、手もとにあってもガレージの物置に突っ込まれたりと、完成までに注がれた情熱に反比例する冷遇にあっています。
▲上から見ると空制関係の這い回しに苦労した記憶が甦る。

このB6もご多分にもれず、B滝さんに預けて(いや、ひょっとするとあげてしまったつもりだったのかも…)いたことさえすっかり忘れて幾星霜、十何年ぶりかの再会となったのです。

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▲ホッパービンにセキ車を押し込むのが主な任務のため、セキの全高より高い位置に前照灯を掲げねばならず、結果この鶴首のようなライトステーが誕生した。後部には大きめのスノープラウを取り付けている。

このB6、私が“現役”を見ることのできた唯一のB6である三井美唄炭礦(三美運輸)の1号機がプロトタイプです。“競作”するならこの目で見た機関車をと安易に決めたのが命取り、地獄の改造を強いられるハメとなりました。三美の1号はB6の中でも“アメB”と通称される米国ボールドウィン社製の2500形の1輌です。その後、珊瑚模型店のB6シリーズも2100、2120、2400、2500と各バージョンが製品化されましたが、この時点では基本形である2120があるのみ。煙室エプロン部程度の改造でなんとか“アメB”の雰囲気は出せるのではと考えていたのが安易でした。実際に改造を始めてみると、ここが違うあそこが違うとばかり小改造が大改造へと変わってしまいました。なかでも一番悲惨だったのがサイドタンク、キャブ、コールバンカと続くいわば側板の作り替え。標準より高さの低いサイドタンクに、逆に標準嵩上げより高いキャブ、そして不似合いなほど増炭嵩上げされたコールバンカを再現するためには結局すべてを新製せざるをえず、最後の最後には、始めからスクラッチすればよかったと本末転倒な泣きがはいる始末でした。
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▲クラシック・ミニチュア社の木製オアビン・キットを2連にして組んだホッパービンをバックにサイドビューをパチリ。

それでもメーキャップを終えて出来上がると、あの日の三井美唄礦が瞼に甦ってきてちょっと嬉しかったのをよく覚えています。ただ記憶はそこまで…例によってあとはどうでもよくなってB滝さんに預けたに違いありません。そしてB滝さんはB滝さんで、へろへろと仕事机のどこかに押し込んで忘却の彼方。まぁ、そう考えれば、この再会も何かの縁でしょう。さっそく自宅のセクション(16番ではありませんが…)に載せてデジカメでポーズをとってもらったのが、今日ご紹介する一連の写真です。今度はさすがに邪険にせず、書斎のどこかにでも置いておこうかと考えています。

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▲プロトタイプの三美運輸1号機の姿。お世辞にも奇麗な状態ではなく、なおかつプライミングを起こしているのか、力行時にはタール状のシンダが雨のように降り注いできた。'72.4.3 南美唄


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投稿者 名取紀之 : 2006年06月09日 21:03

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