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▲当日最も活躍していた498.04の牽く列車。498.04は1929年クラウス製のC1タンク機で、BBÖ(旧オーストリア連邦鉄道)からの引継機。'15.8.16 P:真柳哲也
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これまでにもたびたびオーストリアやドイツの現地情報をお送りいただいているウィーンネットの真柳哲也さんから、「オーストリア鉄道史協会」という愛好者団体が運営するシュタイア博物館鉄道(Steyrtal-Museumsbahn )30周年イベントのレポートをお送りいただきました。シュタイア(Steyr)はウィーンから列車で2時間ほど、オーストリア第3の都市リンツの南40㎞ほどに位置する町です。では、真柳さんのレポートをご覧ください。

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▲Steyrtal-Museumsbahnの路線概要。ÖGEGのホームページより。
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オーストリアでもドイツほどではありませんが、鉄道趣味は古くから「大人の趣味」として広く世間から認知されており、各種の団体が設立され、独自の活動を行っています。そのひとつに1974年に創立されたÖGEG(Österreichische Gesellschaft für Eisenbahngeschichte、オーストリア鉄道史協会)があります。

20150827162030-192fd27064ab288972fe5b28fda8c4eec7d99801.jpgリンツで熱心な若い鉄道愛好家によって設立されたÖGEGは、民間の団体ながら、鉄道史協会という名称が示すように、蒸気機関車をはじめとする歴史的な鉄道車輌の動態保存にも力を入れています。この点、写真撮影や乗車することだけが目的のファンが多い日本とは、大きな違いになっています。「愛すべき鉄道車輌を自分たちの手で保存し、後世に伝える」という使命感に基づいた活動を行っているわけです。
▲終点Grünburgの駅舎。売店やビュッフェの運営もボランティアスタッフの手によって行われている。'15.8.16 P:真柳哲也
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基本的に鉄道愛好家がボランティアとして協会の運営に参加しています。ボランティアに参加しているのは、機関士や整備士などの鉄道のプロだけではなく、消防士、料理人、技術者、彫刻家、画家、グラフィックデザイナーなど多岐にわたっています。自分たちの持つ技能で貢献しようという訳です。「自分たちで車輌や鉄道を保存することが趣味の醍醐味」と考えるヨーロッパの愛好家の考え方には、頭が下がります。もちろん、それだけではなく、寄付金も得て協会を運営しているようです。

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▲普段は閉じられている木造の矩形庫もこの日ばかりはもぬけの殻。'15.8.16 Grünburg P:真柳哲也
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オーストリアの鉄道愛好団体Club760がナローゲージの保存に特化しているのに対し、ÖGEGは本線用機関車の動態保存にも力を入れています。そして、今回ご紹介するSteyrtal-Museumsbahnというナローゲージ(760㎜ゲージ)の博物館鉄道の運営も行っています。このSteyrtal-Museumsbahnでは、蒸気機関車をはじめ、ディーゼル機関車、客車、貨車などを保存しており、夏期を中心に蒸気列車の運行を行っています。

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▲Grünburgで発車を待つLok Nr.6牽引の上り列車。最後尾の木造緩急車はバギーの運搬用? '15.8.16 P:真柳哲也
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Steyrtal-Museumsbahnは、元々Garsten-Klaus間を結んでいたSteyral Bahnが廃線になった後、その一部路線(Steyr-Grünburg 間、17km)を博物館鉄道としたものです。今年、博物館鉄道が創立30周年を迎えたのを記念して、8月16日に特別運転が行われました。

20150827162211-f9cf79970401d812bdece65c95ab548534acb9ff.jpg8月は通常、日曜日は3往復運転されますが、16日は営業時代のダイヤが再現され、8往復(Steyr発Grünburg行きのみ9本)の列車が運転されました。驚くのは深夜・早朝の列車が設定されていることです。さすがに私はSteyrに宿泊していたもの、ホテルからSteyr駅までが離れていたこともあり、深夜便・早朝便は手が出ませんでしたが、どの程度の人が集まったのか興味あるところです。
▲16日のスペシャルダイヤ。深夜・早朝を含め下り9本、上り8本が設定されている。'15.8.16 P:真柳哲也
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▲ディーゼル機もフル稼働。写真は1950年グマインダー製のD105。'15.8.16 P:真柳哲也
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あいにく天候は曇り時々雨といった感じでしたが、動態保存の蒸気機関車4輌が走るという画期的な「祭り」です。Steyrtal-Museumsbahnでは、通常は馬力があり、使い勝手が良い498.04が使われることが多いのですが、今回、注目されたのはファン垂涎であるLok Nr.6(KRAUSS)の運転が予告されていたことでしょう。Lok Nr.6は、現在、最も美しいC1 KRAUSSと言われています。オーストリアに思い入れのある私にとって、KRAUSS LINZの機関車は愛着のある車輌のひとつです。

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▲磨き上げられたLok Nr.6の牽く列車がGrünburgに到着。'15.8.16 Grünburg P:真柳哲也
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Nr.6はドイツのマイニンゲン工場で修復工事を受け、動態復帰を果たしました。その際、ÖGEGはオーダーを出さなかったそうですが、マイニンゲン工場側が気をきかせて、化粧煙突に戻して納品したそうです。その結果、素晴らしいプロポーションになった訳ですが、請求金額が上がってしまいÖGEGとしては頭が痛かったとスタッフが話していました。

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▲Lok Nr.2(298.102)のサイドビュー。1888(明治21)年クラウス製の超古典機。'15.8.16 Grünburg  P:真柳哲也
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そして、好みが分かれますが、1888年製のLok Nr.2(SIERNING)。ボイラの位置が低いため、何となくバランスが悪い機関車です。しかし、現役では最古の部類なので、貴重な存在です。

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